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SESのスキルシート書き方ガイド!受注率を高める10のポイントも解説
この記事の内容
「SESのスキルシートって何?」
「具体的にどんな内容を書くの?」
初めてスキルシートを書くにあたって、抱える悩みは多いでしょう。そこで本記事では、SESのスキルシートの書き方を解説します。
記載する内容から案件受注率を高めるポイント、書いてはいけないNG内容まで詳しく紹介します。「仕事を安定して獲得したい」と考えるSESエンジニアの方や営業担当者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
SESのスキルシートとは?
SESのスキルシートとは、エンジニアの持つスキル・携わってきたプロジェクトの内容などを客観的にわかりやすくまとめた資料のことです。
主に営業担当者がエンジニアを売り込む際に利用し、クライアント企業はスキルシートの内容を見て、面談するかどうかを判断します。
つまり、SESの案件獲得において、とても重要な資料になります。
職務経歴書との違い
スキルシートと職務経歴書は同じ資料に見えますが、両者は記載内容や目的が異なります。
項目 | スキルシート | 職務経歴書 |
---|---|---|
記載内容 | スキル・業務経験など | 志望動機・自己PRなど |
目的 | 技術面をアピール | 人間性をアピール |
スキルシートは「技術経歴書」とも呼ばれ、テクニカルな部分に焦点を当てているのが特徴です。
未経験者のスキルシート提出は不要
スキルシートは、保有スキルやプロジェクトの参画経験を記載するものです。そのため、未経験者はスキルシートの提出をする必要がありません。
職務経歴書でやる気・間接的に活かせるスキルなどをアピールしましょう。
または、事前に個人開発をしたり、ITスクールに通ったりと実績を作ってからスキルシートを作成する方法もあります。
SESのスキルシートの重要性
スキルシートは、案件獲得だけでなく、以下の要素においても重要な資料です。
- 参画案件のミスマッチを防げる
- 単価アップにつながる可能性がある
少しでも案件獲得率を高めるために、内容を盛る方も中にはいます。しかし、正確なスキルや実績を記載しないと、参画後に業務のミスマッチが生じるため注意してください。
また、スキルシートの内容が単価に反映されることもありますので、記載漏れにも気をつける必要があります。
スキルシートは、時間をかけて丁寧に作成しましょう。
SESのスキルシート提出は違法?
「SESのスキルシートの提出は違法にならないの?」と不安な方もいるかもしれません。
しかし、SESのスキルシート提出は違法ではありません。ただし、偽装請負になると労働者派遣法違反になります。
参照:労働者派遣法第26条6項
偽装請負とは、SESエンジニアが派遣社員と同じような働き方を命じられるケースです。カンタンに言えば、契約先の企業が直接SESエンジニアに指示をすると違法になります。
SESは準委任契約であり、派遣契約ではありません。そのため、SESへの指示は企業を通す必要があるのです。
SESと派遣社員の扱いが混同しがちな背景があるため、スキルシートの提出も違法性を疑われやすいです。しかし実際は、原則として適法なので心配する必要はありません。
SESのスキルシート記載内容
SESのスキルシートに記載する項目は、以下の通りです。
- 基本情報
- 保有スキル
- 保有資格
- 得意分野
- 過去の業務経験・プロジェクトの詳細
- 自己PR
順番に解説します。
基本情報
まずは、以下の基本プロフィールを記載します。
- 氏名
- 性別
- 年齢
- 生年月日
- 最終学歴
- 現住所
- 最寄駅
- 電話番号
- メールアドレス
履歴書と同じような内容です。特に難しいことはありませんが、誤字脱字には注意しましょう。
保有スキル
経験した技術や扱えるプログラミング言語があれば、すべて記載しましょう。
例えば、以下の通りです。
- 言語:Java、PHP、HTML、CSS
- OS:Windows、Linux
- フレームワーク:CakePHP、Spring
スキルが多ければ、案件の取りこぼしが減りますし、紹介してもらえる案件も増えます。
保有資格
資格を保有している場合も記載します。
ただ、漢字検定や美容師免許など、業務にまったく関係のない資格はアピールにならないため記載不要です。IT関連のものだけに絞りましょう。
なお、資格を取得した年月日も記載すると丁寧な印象になります。
得意分野
得意な言語や技術についても記載しましょう。
スキルや資格を記載しただけでは、初心者レベルなのかプロレベルなのか、相手に上手く伝わらない可能性があります。
また、「経験が浅いスキルを得意と勘違いしてほしくない」という気持ちから、経験しただけのスキルは記載しない方もいますが、得意分野をアピールすればミスマッチを避けられるでしょう。
特に自分の得意分野が応募条件にマッチしていたら最優先でアピールするのがおすすめです。例えば、Javaの開発経験が応募条件の場合は「Javaを用いた開発経験(または学習期間)が1年以上あります」などと記載しましょう。
過去の業務経験・プロジェクトの詳細
過去に携わった業務やプロジェクトの詳細も記載します。
例えば、以下の通りです。
項目 | 記載例 |
---|---|
案件タイトル | 〇〇業者向け情報システム構築 |
詳細内容 | 生産・販売・原価を的確に管理するためのシステム導入プロジェクト |
環境・言語 | Windows10 Linux Java |
期間 | 2023年4月〜2024年2月(10ヶ月) |
担当工程 | 要件定義:ー 基本設計:ー 詳細設計:◯ 実装:◯ テスト:◯ 保守運用:ー |
役割 | 役割:メンバー(PG/SE) |
規模・要員数 | 開発:40名全体:110名 |
担当工程を記載する際は、各工程に「◯・ー」をつけると採用担当者の方が見やすくなるのでおすすめです。
自己PR
自己PRは、あなたの人柄を伝える大事な要素です。企業の担当者に「ぜひ面談してみたい」と感じてもらえるような内容を記載しましょう。
これまでの経歴やあなたの強み、業務経験から学んだことや、これから貢献できることなどを記載するのがおすすめです。
リーダーやマネジメント経験もあれば、アピール材料になります。
SESで受かるためのスキルシート作成ポイント10個
SESで受かるためのスキルシート作成のポイントを紹介します。
- 過去の業務経験はすべて記載する
- 業務に関係のないことは書かない
- 専門用語(略語)は使用しない
- 箇条書きや言い切り表現を用いる
- 人柄の伝わるエピソードを盛り込む
- 数字を積極的に用いる
- 最新のプロジェクトから順に記載する
- 短期プロジェクトには理由を記載する
- 第三者から意見をもらう
- A4用紙2〜3枚程度におさめる
ポイント1.過去の業務経験はすべて記載する
過去の業務経験はすべて記載しましょう。
記載漏れがあると、受注できたはずの案件を取りこぼす可能性があります。
公開できない内容は記載する必要ありませんが、アピールできることはすべて記載する姿勢が大切です。
ポイント2.業務に関係のないことは書かない
過去の業務経験は多いほうがいいですが、これから携わる業務に関係のないことは記載するべきではありません。
例えば、コンビニアルバイトの経験を書いても、採用担当者へのアピールにはならないでしょう。むしろ、わかりにくいスキルシートになり評価を下げられるリスクがあります。
ただし、異業種でマネジメント経験があったり、SESに活かせそうな気づきがあったりした場合は別です。自己PRの欄に記載することで、十分なアピール材料になります。
ポイント3.専門用語(略語)は使用しない
専門用語(略語)は、使用しないようにしましょう。
採用担当者は技術に疎い場合が多いです。エンジニアだけがわかるような専門用語を多用していると内容が上手く伝わらない可能性があるため、なるべく控えましょう。
ポイント4.箇条書きや言い切り表現を用いる
スキルシートの内容は、あまり長すぎると読み手の負担となります。そのため、要所で箇条書きを用いるのがおすすめです。
また、自分のスキルや経験に自信のあることを伝えるためにも、言い切り表現で記載しましょう。
例えば、「たぶん」「おそらく」「〜だと思います」などの曖昧な表現は避けるのが望ましいです。
ポイント5.人柄の伝わるエピソードを盛り込む
スキルシートは、エンジニアの技術力や経験を伝えるための資料ですが、プロジェクトをスムーズに進めるには人間性も重要な要素です。
スキルや経験が同じでも、人柄が他の応募者と差別化になる可能性もあります。コミュニケーション力・仕事に対する姿勢なども評価対象ですので、自己PRに人柄が伝わるエピソードを盛り込むといいでしょう。
ポイント6.数字を積極的に用いる
スキルシートでは、数字を積極的に使用しましょう。
数字を用いることで、記載内容の説得力が格段に上がります。
数字の有無に関する例を以下で紹介します。
- 自分がマネジメントを担当した結果、店舗の売上がアップしました。
- 自分がマネジメントを担当した結果、店舗の売上が前年比20%アップしました。
このように、数字の有無で説得力に大きな差を生みますので、できる限り具体的に記載しましょう。
ポイント7.最新のプロジェクトから順に記載する
プロジェクトの経験は「最新のものから」順に記載しましょう。
採用担当者は、直近のプロジェクト経験をもっとも知りたいため、最新のものから降順に記載するほうが親切です。
思いつくままに記載してしまう方も多いため、意識するだけで「わかりやすいスキルシートだな」と高評価を得られます。
ポイント8.短期プロジェクトには理由を記載する
短期プロジェクトの参画経験がある場合は、必ず理由を記載しましょう。
採用担当者は、短期プロジェクトがあると「すぐ辞めてしまうのではないか」「スキルや人間性に問題があって途中解約されたのではないか」と不安になってしまいます。
そこで、以下のような記載を加えましょう。
- もともと短期間のプロジェクトでした。
- 想定よりも早くプロジェクトが終わりました。
- 同じ企業の別案件です。
このように記載すると、誤解されずに済みます。
ポイント9.第三者から意見をもらう
スキルシートを作成したら、第三者に見てもらいましょう。
自分1人で作成すると、どうしても自己満足な内容に偏ってしまいがちです。自分ではわかりやすいと感じていても、客観的に見ると改善点が見つかることもあります。
仕事やプライベートで悩んでいた際、家族や友人に相談したらすぐに解決した……なんてことは、誰もが一度は経験のあることでしょう。また、友人が大きな問題と考えていることが、自分から見ると「大したことないのでは?」と感じることもよくあるはずです。
スキルシートも同じで、第三者に意見をもらえば完成度が高まります。同僚や先輩、家族や友人などからフィードバックをもらいましょう。
ポイント10.A4用紙2〜3枚程度におさめる
スキルシートは、多くてもA4用紙2〜3枚程度におさめましょう。
決まったフォーマットがないため、伝えたいことが多いと用紙が増えがちです。しかし、あまり長く書いても読み手の負担が増えてしまいます。相手に伝わらなければ記載しても意味がありません。
箇条書きを用いる、応募先に関係する経験やスキルに絞って記載するなど、端的にまとめることを意識しましょう。
SESのスキルシートを作成する際のNG・違法行為3つ
実は、スキルシート作成ではNG行為・違法行為があります。
作成する際は、以下の3つに注意してください。
- 経歴を詐称する
- 誤字脱字をする
- 企業名やサービス名を記載する
順番に解説します。
NG行為1.経歴を詐称する
当然ですが、経歴の詐称は絶対にやってはいけません。
クライアント企業は、スキルシートの内容から面談・採用を決めます。経歴詐称をすると、プロジェクトの進捗に多大な影響が出る、つまりは業務妨害とも受け取られるため、最悪は訴えられる可能性があります。
あなたが何かモノを買うとき、製品の仕様に嘘があれば怒りを覚えるでしょう。スキルシートでも同じです。
「少し盛るだけなら……」というのも、参画後に自分自身が苦しむことになるため、経歴は正確な事実を記載しましょう。
NG行為2.誤字脱字をする
誤字脱字にも注意が必要です。
誤字脱字は「確認せずに提出した=エンジニアの仕事も適当に行うのでは?」「業務でも些細なミスが多そう……」と思われるきっかけとなります。
作成後は自身で読み返すのはもちろん、第三者にも内容と合わせてチェックしてもらいましょう。
NG行為3.企業名やサービス名を記載する
企業名やサービス名の記載は「守秘義務違反」になる可能性があります。
プロジェクトによって契約内容は異なりますが、勘違いからの失敗を避けるためにも、企業名やサービス名は伏せるのが無難です。
どうしても記載したい場合は、現場の責任者や担当者に確認しましょう。
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まとめ:SESはスキルシートに時間をかけて案件受注率を高めよう
SESの案件獲得において、スキルシートは重要な役割を果たします。
採用担当者はスキルシートの内容から面談するかどうかを判断するため、あなたがどんなに素晴らしいスキル・経歴・人柄を備えていても、スキルシートで手を抜くと伝わりません。
逆に、スキルや経歴が乏しくても、スキルシートが読み手を意識した書き方になっていると「一度会ってみたい」と面談につながる可能性があります。
これからエンジニアとしてのキャリアを充実させていきたいなら、ぜひ本記事をもう一度読み返し、採用につながるスキルシート作成を目指してみてください。
なお、スキルシートで高評価を得ると、次は面談に進みます。
以下の記事にて「SESの面談の流れ」を解説していますので、あわせてご覧ください。