2024/08/28
  • IT転職

    新卒でSES就職は人生台無し?メリット・デメリットやキャリアパスを解説

    この記事の内容

    SES(システムエンジニアリングサービス)とは、クライアント企業にエンジニアの技術力と労働力を提供する契約形態のことです。SEと仕事内容は同じですが、SESは常駐する企業を渡り歩きながら業務を行います。

    SESは、プログラミング経験が浅くても就職しやすいのが特徴です。しかし、インターネットやSNSを中心に「新卒でSESはやめとけ」「人生台無しになる」などと言われることもあり、これから就職を考えている方は不安を感じているかもしれません。

    結論からお伝えすると、エンジニア未経験の方は、SESからキャリアを歩み出すのがおすすめです。企業選びさえ間違えなければ、SESは実務経験を積む場所としてこれ以上ない最適な場所になるでしょう。

    本記事では、新卒でSESに就職するメリット・デメリットを解説します。優良企業を見極めるポイントやキャリアパスについても詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

    新卒でSESはやめとけ?の真相

    インターネットやSNSを見ると「新卒でSESはやめとけ」という意見をたびたび見かけます。

    まずはその背景を、以下3つの観点から解説しましょう。

    1. 教育体制が整っていない場合がある
    2. 指揮権が曖昧になりやすい
    3. 希望と異なる業務に配属される場合がある

    SESは、未経験でも就職しやすいのが特徴です。ほかのエンジニアと比べて高度なスキルを必要としない案件が多く、業務をこなしながら徐々にスキルアップを目指せます。

    しかし、企業によっては教育体制が整っていない場合があります。教育体制が整っていない企業に就職すると低単価案件しか受注できません。つまり、スキルアップも年収アップも難しくなります。

    またSES契約では、クライアントに指揮命令権がありません。本来、契約内容にない業務や残業・休日出勤を命ずることはできませんが、企業によってはグレーゾーンになっています。

    さらには、未経験者の研修と称して、コールセンターや家電量販店などエンジニアと関係のない業務を任せる企業もあります。もしそうなった場合、「エンジニアになりたいのに話が違う……」と不満を抱くことになるでしょう。

    このような背景があるため、インターネットやSNSでは「新卒でSESはやめとけ」と言われることがあります。

    しかし、SESの不満はすべての企業に当てはまる内容ではありません。SESでも良心的な企業は多数存在します。ぜひ本記事を読み込んで、SES企業の正しい選び方を習得しましょう。

    なお、SESに対するネガティブ意見は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。ブラック企業の特徴も紹介していますので、企業選びの失敗を避けたい方はあわせてご覧ください。

    新卒でSESに就職する6つのメリット

    新卒でSESに就職する6つのメリットを紹介します。

    1. プログラミング知識がなくても働きやすい
    2. 責任が問われず働きやすい
    3. 残業時間が比較的抑えられている
    4. さまざまな案件で経験を積んでいける
    5. 大型プロジェクトに参画できる可能性がある
    6. エンジニアの人脈を広げられる

    順番に詳しく見ていきましょう。

    メリット1.プログラミング知識がなくても働きやすい

    最大のメリットは、プログラミング知識がなくても働きやすい点です。

    IT業界は、多重下請け構造になっており、SESはその下層部分に位置する企業が多いです。下請け案件は単価が低いですが、裏を返せば「高度なスキルがなくても取り組みやすい」という特徴があります。

    SIerや自社開発企業では、特別な知識やスキルが求められます。プログラミング経験が浅いと「書類選考すら通らない」と嘆くことになるでしょう。SESは誰でも応募できる求人が多いため、未経験からエンジニアを目指す第一歩におすすめな選択肢です。

    メリット2.責任が問われず働きやすい

    SESは業務の責任を問われにくいため、気楽に働きたい方にとって魅力的な選択肢になります。というのも、SESは成果物ではなく労働力を提供する契約形態だからです。

    ほかのエンジニアが締結する「請負契約」には、成果物に対して責任を負う必要があります。納期に合わせて長時間残業や休日出勤を強いられるケースは珍しくありません。

    また、納品後も品質に問題が発生すれば訴えられる可能性があります。

    SESは、そういったリスクを背負う必要がないため、ストレスが少ない仕事と言えるでしょう。もちろん、責任を問われる可能性がゼロではありません。しかし、業務自体が下請けのシステム保守や運用が多いため、大きな責任問題には発展しにくいです。

    メリット3.残業時間が比較的抑えられている

    ワークライフバランスを重視するのであれば、残業時間が少ない傾向にあるSESは大きな魅力になるでしょう。

    SESは、成果物ではなく労働力を提供する契約形態です。そのため、契約を結ぶ際に労働時間を細かく決める特徴があります。クライアントは契約以上の労働時間を依頼できないため、SESは残業時間が比較的抑えられます。

    ITエンジニアは、残業が多い印象が強い職種ですが、SESエンジニアには当てはまりません。趣味や家庭の時間を大切にしたい方なら、ぴったりな働き方と言えます。

    メリット4.さまざまな案件で経験を積んでいける

    SESは、常駐先の企業を渡り歩きながら働きます。担当する業務や使用するツールは案件ごとに異なるため、仕事をしながらスキルや経験を積めるでしょう。

    幅広い知識やスキルを習得することは「対応できる仕事の増加」を意味します。できる仕事が増えれば、キャリアアップや年収アップにもつながるはずです。

    ほかのエンジニアのように1つの業務やツールを極めるのもいいかもしれません。しかし、「どんな仕事が自分に向いているかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

    SESなら、さまざまな経験を通じて自己理解を深めていくこともできますので、キャリアに迷いがある人にこそおすすめしたい仕事です。

    メリット5.大型プロジェクトに参画できる可能性がある

    SES企業の中には、大企業のプロジェクトを扱っているところもあります。

    大企業のプロジェクトは、当然大規模なものが多いです。求められるスキルが高いのはもちろん、関わる人数が多いことから、プロジェクトリーダーのスキルも高い特徴があります。

    そんな大型プロジェクトに携われば、エンジニアとして成長できますし、キャリアアップを目指す際の実績提示にも役立つでしょう。

    大企業の社員になるには、レベルの高い競争を勝ち抜かなければなりません。しかし、SESなら大企業に入社せずとも大型プロジェクトに携われるチャンスがあります。また、そのプロジェクトを通じてヘッドハンティングを受けることもゼロではありません。

    新卒で大企業就職が叶わなくても、SESで働けばチャンスが訪れる可能性があります。

    メリット6.エンジニアの人脈を広げられる

    SESは、常駐先を転々としながら働くため、ほかのエンジニアよりも人脈を広げやすい特徴があります。

    この広げた人脈は、キャリアアップ転職やフリーランス独立をする際に大きな手助けとなるでしょう。例えば、転職活動の情報収集・ヘッドハンティング・案件の紹介などが挙げられます。

    また、さまざまなメンバーとコミュニケーションを取ることで、自身のスキルアップや考え方の変化などの成長につながる可能性もあります。こういった人脈形成は、客先常駐のSESでしか味わえない魅力でしょう。

    新卒でSESに就職する4つのデメリット

    SESはメリットが多く、新卒にもおすすめできる働き方です。

    とはいえ、以下に挙げる4つのデメリットは考慮しておく必要があります。

    1. 企業によってはスキルアップできない
    2. 年収が低くて上がりにくい傾向にある
    3. 労働環境の変化でストレスを感じやすい
    4. 希望する案件を担当できない場合もある

    順番に詳しく見ていきましょう。

    デメリット1.企業によってはスキルアップできない

    SESの案件は、下請け業務が多い傾向にあり、未経験者や知識の浅い人でも取り組みやすいのが大きな魅力です。

    しかし、企業によっては「下請け案件しか扱っていない」「スキルアップできる案件を紹介してくれない」というケースもあります。

    下請け案件は、エンジニアに慣れるまでの期間なら問題ないですが、いつまでも同じ業務では成長が見込めません。データ入力やテストなどの単純作業でスキルアップを目指すのは限界があるでしょう。

    そのため、SES企業を選ぶ際は「案件の幅」を確認する必要があります。4次請け・5次請けなどの案件ばかり扱っている企業への入社はおすすめしません。

    デメリット2.年収が低くて上がりにくい傾向にある

    SESは、SIerや自社開発などに比べて、年収が低くて上がりにくい特徴があります。

    その理由は、主に以下の2つが挙げられます。

    1. 多重下請け構造の下層に位置する企業が多い
    2. 客先常駐の働き方は適切に評価するのが難しい

    まずSESの給料が低くなりがちなのは「多重下請け構造の下層に位置する企業が多い」のが理由です。

    IT業界は多重下請け構造になっており、エンド企業から発注される案件を1次請け・2次請け・3次請け……と業務委託していく仕組みになっています。そして、業務委託をする際は、多くの企業が紹介料と称して利益の中抜きをします。その結果、最下層に近いSES企業は低単価での受注になるわけです。案件単価が低いので、エンジニアの給料も低くなってしまいます。

    また、客先常駐の働き方は適切な評価が難しいのも欠点です。常駐先に自社の上司が来ることはほとんどなく、年収アップにつながるアピールがあまりできません。自分がどれだけ頑張っているかは、クライアントを通して上司に伝わります。しかし、上司も直接見ているわけではないため、正確に評価できないです。

    その結果、「自分はこんなに頑張ってるのに給料が上がらない……」という不満の声が上がりやすくなっています。

    とはいえ、SESでも優良企業なら、元請けに近い案件を扱っていたり、評価制度を明確に設けていたりします。すべての企業に当てはまるわけではありません。

    デメリット3.労働環境の変化でストレスを感じやすい

    常駐先を転々と渡り歩く働き方は「さまざまな経験ができる」「人脈を広げやすい」のがメリットです。

    しかし人によっては、頻繁に変わる労働環境がストレスに感じるかもしれません。特にコミュニケーションに苦手意識のある方は、新しい人間関係の構築が大きな負担になってしまうでしょう。

    一方、苦手なコミュニケーション力を養うために、あえてSESで働くという方もいます。コミュニケーション力はすべての職業に通ずるため、新卒の早いうちから磨いておくのも選択肢としておすすめです。

    また、優良なSES企業であれば、「2人以上で常駐させる」「定期的にメンタルフォローをする」など自社のエンジニアを孤立させないようなサポート体制が整っています。そういった企業に就職すれば大きな問題にはならないでしょう。

    デメリット4.希望する案件を担当できない場合もある

    SESは、さまざまな案件を扱っていますが、望んだ業務を担当できるわけではありません。

    特に経験が浅いうちは参画できる案件が少ないため、望まない案件を割り当てられる機会が多いでしょう。優良企業では案件選択制度を設けていますが、新入社員のうちは選べない可能性が高いです。

    よって、希望する案件しかやりたくない方や、最短ルートでキャリアアップを目指したい方にSESは向かないかもしれません。

    とはいえ、プログラミング経験が浅くても案件に参画しやすいのは、SESならではの魅力です。「最初は経験」と割り切って働けば、徐々に希望の案件を任せてもらえるでしょう。

    新卒からSESで人生台無しはウソ!未経験こそおすすめ

    ここまで新卒でSESに就職するメリット・デメリットを解説しました。あらためて結論をお伝えすると、SESはエンジニア未経験者に強くおすすめしたい職業です。

    給料が上がりにくい・スキルアップしにくいなどの理由から「新卒でSESは人生台無しになる」というネガティブ意見があります。しかし、そのネガティブ意見は企業選びに失敗しただけの可能性が極めて高いです。

    SES企業でも高単価案件を扱っていたり、スキルアップを促してくれたりする優良企業はたくさんあります。優良企業に就職できれば、プログラミング未経験からでもキャリアの幅を広げていけるでしょう。何より、未経験からでも入社しやすいのは大きな魅力です。

    とはいえ、「人生台無し」の声が上がるのは、ブラックなSES企業の存在を示す証拠とも言えます。「もしブラック企業に入社してしまったら人生台無しだ」「貴重な新卒カードをSESに使うのはもったいない」と不安を感じる方も多いかもしれません。

    しかし、今は若手の減少を受けて「卒業後3年以内なら新卒扱いにする」という企業が増えています。

    参考:厚生労働省「3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!

    つまり、新卒でブラック企業に入社してしまったり、SESの働き方が合わないと感じたりしても、そこで人生は台無しにはなりません。

    少しでもSESに興味があるなら気軽に挑戦してみましょう。

    新卒で優良SES企業を見極めて後悔しない5つのポイント

    「新卒カードは卒業後3年間適用される」とお伝えしましたが、できることなら一発で優良企業を見つけたいところです。

    そこでここからは、優良SES企業を見極めるためのポイントを5つ解説します。

    1. 給料や昇給などの待遇
    2. 福利厚生の充実度
    3. 教育体制の充実度
    4. エンドユーザーや元請け企業からの案件の有無
    5. エンジニア出身の経営層の有無

    順番に詳しく見ていきましょう。

    給料や昇給などの待遇

    社員を大切にする企業は、利益を給料や昇給で反映してくれます。よって、給料や昇給は、優良企業の判別においてわかりやすい指標になります。

    特に、昇給条件はしっかり確認しておきましょう。客先常駐で働くSESは、評価基準があいまいになりやすいとお伝えしました。優良企業はそのあいまいな評価基準が社員の離職につながることを理解していますので、昇給条件が明記されていることが多いです。

    また、あわせて確認したいのが「待機期間中の給料」です。

    SESは、案件が決まるまで待機期間が発生することが珍しくありません。優良企業は待機期間中でも100%の給料を保証するケースが多いですが、企業によっては「待機期間=休業扱い」として労働基準法で定められる最低額60%の給料しか支払わないところがあります。

    待機期間の発生は企業の営業力不足が原因であるため、100%支給しない企業が社員を大切にしているとは言い難いでしょう。何よりしっかり利益を上げている企業なら、待機期間中でも100%の給料を保証する余裕があるはずです。

    福利厚生の充実度

    福利厚生の充実度は「ワークライフバランスを意識しているか」の指標になります。

    例えば、以下の有無を確認しましょう。

    • 残業代の支給
    • 交通費の支給
    • 住宅補助の支給
    • 有給休暇の取得
    • 育休や産休の取得
    • 健康保険や雇用保険の加入

    上記がどれだけ整っているかを確認することで、その企業が社員のワークライフバランスをどれほど考えているかがわかります。

    特に重要なのが「健康保険や雇用保険の加入」です。社員を保険に加入させない企業がブラックと言って差し支えないため、もし無い場合は入社を避けましょう。

    教育体制の充実度

    ブラック企業は「教育コスト=無駄なコスト」と考える傾向があります。育てても社員が辞めてしまうと意味がなくなるからです。

    そのため、教育体制の充実度も優良企業を見極める重要な指標になります。経験の浅い人材をいきなり客先に常駐させるような企業には注意しましょう。

    企業の教育体制は、Webサイトやパンフレットに記載されている場合が多いのですが、もし詳細がわからない場合は、OB・OG訪問で聞くのがおすすめです。実際に企業で働く社員から生の声を聞けます。

    また、教育体制が整っている企業は、社員の満足度が高くなることから「勤続年数が長い」という特徴もあります。あわせてチェックしてみてください。

    エンドユーザーや元請け企業からの案件の有無

    IT業界は、多重下請け構造になっており、下層案件ほど利益を上げにくくなります。またスキルを必要としない案件が多いため、スキルアップも望めません。

    よって、年収アップやスキルアップを目指すなら「取引先」も重要な確認ポイントになります。

    もし受注できているのであれば、安定した利益と案件紹介を期待できるため優良企業である可能性が高いです。

    エンジニア出身の経営層の有無

    経営層にエンジニア出身者が在籍しているのは、魅力的なSES企業の大きな特徴と言えます。なぜなら、エンジニアの些細な悩みを理解している可能性が高いからです。

    労働環境や待遇面、教育体制などを整えようとしても、現場のことを理解していないと良い案は浮かびにくいでしょう。経営層にエンジニア出身者がいれば、現場でしか感じ取れない不満や悩みに寄り添ってくれているはずです。

    新卒でSES就職を成功させる4つの事前準備

    SESに限らずですが、新卒就職を成功させるには事前準備が欠かせません。

    以下4つの準備をすれば、ミスマッチを防げるでしょう。

    1. 希望条件やキャリアプランを明確にする
    2. エンジニアスキルを学んでおく
    3. 最低限のビジネススキルを学んでおく
    4. IT業界に詳しいプロからアドバイスを受ける

    順番に詳しく解説します。

    準備1.希望条件やキャリアプランを明確にする

    まずは、希望条件やキャリアプランを明確にしましょう。両者を明確にすれば「企業選びの軸」ができるため、大きな失敗を避けられます。

    例えば、希望条件は「年収」「平均残業時間」「福利厚生」「身につけたいスキル」などを明確にします。

    キャリアプランでは「管理職」「フリーランス」など、将来的にどこを目指すのかを決めるといいでしょう。どこを目指すかが明確になれば、磨くべきスキルも浮かび上がってくるはずです。

    準備2.エンジニアスキルを学んでおく

    エンジニアスキルを学んでおくことも大切です。

    SESは未経験でも就職しやすいのですが、事前に知識やスキルを習得しておけばスムーズに業務をこなせます。年収アップやキャリアアップの速度も上がるでしょう。

    エンジニアスキルを学ぶ方法は、以下の3つがあります。

    1. 参考書やアプリなどで学習する
    2. 長期インターンシップに参加する
    3. プログラミングスクールに通う

    参考書やアプリは、あまり費用をかけずに済むのが魅力です。ただし、独学はわからないことを質問できなかったり、モチベーションが続かなかったりと挫折しやすい欠点があります。

    長期インターンシップは、実際の企業で職場体験をすることです。「習うより慣れよ」という言葉があるように、実務をこなすことで素早くスキル習得ができます。ただし、選考を突破をする必要があるため、応募段階である程度のスキルが求められるかもしれません。

    もし独学も長期インターンシップも厳しい場合は、プログラミングスクールに通うのがおすすめです。プロの講師がカリキュラムを組んでおり、体系的にスキルを習得できます。

    高額な費用がかかりますが、確実にスキルを身につけられるのが魅力です。

    準備3.最低限のビジネススキルを学んでおく

    新卒でSES就職するなら、最低限のビジネススキルを学んでおくのも大切です。

    下記のビジネススキルを習得しておけば、実際に働いた際に高評価を得られるでしょう。

    • コミュニケーション力
    • 論理的思考力

    エンジニアの仕事は、チームを組んで行われます。チーム内でスムーズに仕事を進めるにはメンバーと良好な関係を築くことも欠かせません。特に、SESは常駐先を転々とするため、すぐに溶け込める高いコミュニケーション力が求められます。

    論理的思考力も欠かせないスキルです。プログラミングでは正確なコーディングが求められますし、クライアントの要望を正確に把握する上でも、日頃から物事を論理的に考える必要があります。

    こういったビジネススキルも書籍・スクール・インターンシップで学べますので、エンジニアスキルと合わせて事前学習をしておくのがおすすめです。

    準備4.IT業界に詳しいプロからアドバイスを受ける

    優良企業への就職確率を少しでも高めたいのなら、IT業界に詳しいプロからアドバイスを受けるのがおすすめです。

    就職・転職支援サービスはたくさんの求人を扱っているため、業界や企業に関する知識を豊富に抱えています。求人情報や口コミだけではわからない情報を知っていることが多いため、応募前の参考になるでしょう。

    また、書類作成や面接対策のサポートも行っているため、志望する企業の選考突破率も格段に向上します。完全無料で利用できるため、情報収集や悩み相談だけでも一度行っておくのがおすすめです。複数のサービスからアドバイスを受ければ、自分に合ったSES企業が絞れてくるでしょう。

    なお、弊社でもIT業界への転職サポートを行っています。会員登録不要でご利用いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

    新卒でSESに就職した後のキャリアパス4選

    「SESにはどのようなキャリアパスがあるのか」と気になる方も多いでしょう。キャリアアップを目指すなら事前に把握しておくことが大切です。

    SESの主なキャリアパスは、以下の4つが挙げられます。

    1. SES企業の管理職を目指す
    2. SIer(受託開発企業)に転職する
    3. 常駐先の企業に転職する
    4. フリーランスとして独立する

    順番に見ていきましょう。

    キャリアパス1.SES企業の管理職を目指す

    まずは、管理職へとキャリアアップする道です。管理職とは、プロジェクトリーダーやマネージャーのような責任あるポジションのことを指します。

    役職仕事内容
    プロジェクトリーダー(PL)現場のリーダーとしてプロジェクトメンバーの進捗管理・体調確認・指導・サポートなど
    プロジェクトマネージャー(PM)プロジェクト全体の管理責任者としてシステムの開発計画・チーム編成・クライアントとの交渉など

    リーダーシップやマネジメント能力は、市場価値の高いスキルです。年収アップはもちろん、転職でも有利に働くでしょう。

    管理職に適性がある方の特徴は、以下の通りです。

    • プロジェクトの全体像が気になってしまう
    • 過程よりも結果にこだわって仕事をしている
    • 普段から悩みを相談されることが多い

    プレイヤーと違ったやりがいを求めるのなら、管理職を目指してみるといいかもしれません。

    キャリアパス2.SIer(受託開発企業)に転職する

    SIer(エスアイアー)とは、システムインテグレーションの略称です。いわゆる受託開発企業を指し、クライアントの要望に応じて、システムの設計や開発、運用保守などの仕事を請け負います。

    SIer企業は、自社で作業するのが特徴です。常駐先を転々とする働き方に不満がある方は、転職することで解決できます。また、SESよりも上流工程の業務が多いため、年収アップも見込めるでしょう。

    業務の規模が上がるため、高度なスキルを求められます。しかし、客先常駐でさまざまなクライアントと仕事をしてきたSESエンジニアなら、すんなり転職できる職種です。

    キャリアパス3.常駐先の企業に転職する

    常駐先の企業にそのまま転職する選択肢もあります。働きやすい常駐先に出会えたなら、転職することで安定した労働環境が手に入るでしょう。

    SES業界において「引き抜き」は珍しくありません。常駐先の企業からしても、自社に馴染んでいる社員を引き抜けば採用コストを削減できます。そのため、現場で評価を高められれば声がかかるかもしれません。

    ただし、エンジニアの引き抜きは業界のタブーとする風潮が強いです。場合によっては企業間トラブルに巻き込まれるおそれがあります。

    また、SES企業によっては「常駐先の企業に転職はNG」と定めているケースもあるため、転職の判断は慎重に行いましょう。

    キャリアパス4.フリーランスとして独立する

    SESをはじめ、エンジニアの経験を積み十分な実績を得られたなら、フリーランスとして独立する選択肢もあります。

    フリーランスの魅力は「大きな自由を得られる」という点です。勤務時間や休日が決められていないため、自分の好きなペースで働けます。

    また、所属企業にマージン(仲介手数料)を取られないため、会社員よりも収入アップしやすいのも魅力です。努力が収入に直結しやすいのはモチベーション向上にもつながるでしょう。

    ただし、フリーランスは「すべてが自己責任」です。案件獲得の交渉や確定申告のような事務処理も自分でやる必要があります。自由にはメリットとデメリットの両面があるため、自身が向いているかどうかはよく考えましょう。

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    まとめ:新卒でSESはおすすめ!経験を積んでキャリアを広げよう

    新卒未経験でエンジニアを目指すのなら、まずはSESで経験を積むのがおすすめです。高度な知識やスキルがなくても取り組める案件が多いため、未経験者が実務経験を積むには最適な職業と言えます。

    ブラック企業が存在するのも事実ですが、教育体制や取引先、経営層をしっかりチェックすれば避けられます。あなたに合う企業探しは「オタクの転職」がサポートしますので、IT業界やエンジニアに興味があるなら、ぜひSESからキャリアをスタートしてみてください。