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SESの平均年収はいくら?給料が上がらない理由と年収アップの戦略を解説
この記事の内容
「SESは年収が低い」と聞いて、不安を感じているかもしれません。SESは未経験でも働きやすい職種ですが、長く働き続けるためには年収が大事な要素となります。
そこで本記事では、SESの平均年収や給料が上がらないと言われる理由、年収アップのための戦略を解説します。
これからSESを目指す方には必ず知っておいてほしい内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
SESの平均年収は約300〜400万円
SESの平均年収は「約300〜400万円」です。
SESの平均年収として公表された統計データは確認できませんでした。しかし、dodaが調査した「ITエンジニアの職種別平均年収」によると、以下のような年収帯のようです。
出典:doda
SESは、下流工程を任される傾向が強いことを考えれば、平均年収300〜400万円が収入の目安となるでしょう。
また、実際にSES経験者の声も集めてみました。
なお、国税庁の「令和3年分 民間給与実態調査」によると、日本人の平均年収は「443万円」と報告されています。その事実から、SESの年収は低い水準にあると推測されます。
SESの年収が低い・給料が上がらない理由
では、なぜSESの年収は低いのでしょうか。
その理由は、主に以下の5つが挙げられます。
- 多重下請け構造で中抜きされる
- 時給ベースの働き方で限界がある
- 還元率の低い企業で働いている
- 待機期間は基本給の60%支給になる
- スキルが低く大きな案件にアサインされない
順番に解説します。
理由1.多重下請け構造で中抜きされる
SESの年収が低い最も大きな理由は、多重下請け構造で中抜きされるからです。
多重下請け構造とは、「エンド企業→元請け企業→2次請け企業→3次請け企業……」と何層にもわたって業務委託される構造を指します。
そして、この多重下請け構造では、下の層に進むほど発注額が少なくなります。
例えば、以下のようなイメージです。
- エンド企業:300万円で発注
- 1次請け企業:150万円で発注
- 2次請け企業:50万円で発注
- 3次請け企業:20万円で発注
特に仲介する企業は「紹介料」と称して、利益を中抜きすることがほとんどです。そのため、多重下請け構造の最下層にあたるケースが多いSES企業は、利益が少なくなってしまい、社員の年収が低くなってしまいます。
理由2.時給ベースの働き方で限界がある
SESの年収が低いのは、時給ベースの働き方であるのも理由のひとつです。
一般的なエンジニアは成果ベースの働き方であるため、大きな案件であればそれだけ高単価で受注ができます。そのため、高単価案件をたくさん受注すれば年収1,000万円以上も達成できるでしょう。
しかし、SESは時間ベースの働き方であるため、高単価案件を受注しても報酬への影響はあまりありません。加えて、SESは「人手が足りない案件の補填として参画する」ケースが多く、高い時給を払ってまで契約をする企業が少ない傾向にあります。
つまり、SESの報酬はサラリーマンのように、ある程度の相場が決まっているため、大きく稼ぐことが難しいのです。
理由3.還元率の低い企業で働いている
SESの年収が低いのは「還元率」も深く関わっています。
還元率とは、会社の利益をどれだけ社員に還元しているかの比率を表した数字です。この還元率は企業によって大きな差があります。
例えば、月単価100万円の案件を受注した場合、還元率によって社員の給料は以下のように変動します。
- 還元率70%:月給70万円
- 還元率40%:月給40万円
このように、高時給でSES契約を結んでいても、実は会社にピンハネされているケースもあります。
あまりにも給料が低い場合は、還元率の低い会社で働いている可能性も考えてみましょう。
理由4.待機期間は基本給の60%支給になる
SESにおける待機期間とは、次の案件が決まらずに自社や自宅で待機しなければならない期間を指します。
待機期間は、「突然案件が終了する」「営業力不足・スキル不足で常駐先が決まらない」場合に発生することが多いです。
この待機期間中、自社に出社して業務をこなすのであれば給与の100%が支給されますが、自宅待機の場合は休業扱いとなるため「60%以上の支給」となります。
参照:労働基準法第26条
自宅待機中の給料は企業によって異なりますが、ほとんどのSES企業では最低額しか支払われません。この待機期間の存在も、SESの平均年収を下げている原因になっています。
理由5.スキルが低く大きな案件にアサインされない
SESの給料が上がらない原因として、そもそもスキルが低く大きな案件にアサインされないのもあります。
SESでも、高単価な案件を受注している企業は多数存在します。しかし、高単価案件は当然スキルが求められるため、基準を満たせていないと割り当ててもらえません。
その結果、スキルが備わっていないと、未経験者でもできるような案件しか割り当ててもらえず、給料が低くなってしまうのです。また、低単価案件ではスキルアップも難しいため、給料も上がっていきません。
SESが年収アップするためのアクション戦略
SESは業務形態から年収が低くなりがちですが、以下4つのアクションを起こすことで、年収アップが期待できます。
- スキルの習得やレベルアップをする
- 高還元SESに転職する
- リーダーや上流工程の経験ができる企業に転職する
- 大手企業に転職する
順番に解説します。
1.スキルの習得やレベルアップをする
SESで年収アップを目指すなら、「スキルの習得」が欠かせません。スキルを習得すれば、割り当てられる業務の幅が増えるため、年収アップにつながる評価を得やすくなります。
SESがスキル習得をするには、以下の方法を実践するといいでしょう。
- プログラミング言語の開発を学ぶ(スクールや独学)
- 資格を取得する
- セミナーに参加する
- 常駐先のスキルのある人から話を聞く
「SESは簡単な業務ばかりでスキルアップしにくい」とはよくいわれますが、上記のように自主的に行動することでスキルアップできます。
2.高還元SESに転職する
SESとしてスキルアップを実感できたら、高還元SESに転職するのがおすすめです。
高還元SESとは、通常のSES企業よりも還元率が高い企業を指します。
- 通常のSES:還元率40〜50%程度
- 高還元SES:還元率70〜80%程度
SESの年収が低い・給料が上がらない原因でも解説した通り、還元率はSESの年収に大きく関わる重要な要素であるため、転職するだけで年収アップが期待できます。
ちなみに、高還元SESは営業やオフィスなど、会社の固定費を削ることで還元率を高めているところが多いです。
それゆえに、未経験でいきなり高還元SESを目指すのは難しいです。SESとしてある程度スキルや経験を積んだ後であれば転職できますので、ぜひ目指してみてください。
3.リーダーや上流工程の経験ができる企業に転職する
高還元SESから、さらにキャリアアップしていきたい場合は、リーダーや上流工程の経験ができる企業に転職しましょう。
SESは下流工程の業務が多いため、その中で努力しても給料アップには限界があります。そのため、SESとして十分にスキルや経験を積んだと感じた場合は、ステップアップを検討するタイミングと言えます。
いつまでも同じような仕事をしていても年収アップは狙えませんので、転職してキャリアアップを目指しましょう。
4.大手企業に転職する
SESとして年収を最大限に上げるには、大手企業に転職するのがベストです。
大手企業は元請け、もしくは元請けに近い企業であるため、下請け構造のデメリット「中抜き」の影響が少なくなります。そのため、社員の給料も高くなるでしょう。
リーダーや上流工程の経験を十分に積んでいれば、転職できる可能性は高いです。
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SESから年収アップを実現する方法を解説しましたが、記事内の情報だけでは自身のキャリア像をイメージしにくいかもしれません。
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まとめ:SESで年収アップを目指すならスキルを磨いて転職しよう
SESは、多重下請け構造の最下層で働くことが多いため、年収が低い傾向にあります。
しかし、しっかり経験を積み、スキルを磨いていけば、SESでも年収を上げていくことも可能です。
SESから年収を上げるには「転職によるキャリアアップ」が欠かせませんので、ぜひ本記事を参考に自身のキャリア像を描いてみてください。