2024/09/30
  • IT転職

    SESの現場を変えたい…取るべき行動や希望現場に入るコツを紹介

    この記事の内容

    SESは、常駐先の企業を転々としながら働きます。労働環境は企業ごとに異なるため、「この現場は自分に合わない」と感じるシーンもあるでしょう。

    しかし、SESの現場を変えたくても「実際どのような手順を踏めばいいのか」「そもそも簡単に現場を変えてもいいものか」などの悩みから動けない方も少なくありません。

    そこで本記事では、SESの現場を変えたいと考える原因・現場を変える際の手順・希望の現場に入るコツを紹介します。

    記事を読み終える頃には、今の現場からスムーズに抜ける準備が整っているはずですのでぜひ参考にしてください。

    SESが現場を変えたいと考える原因7選

    SESが現場を変えたいと考えるのは珍しいことではありません。

    では、なぜ不満を感じてしまうのでしょうか。主な原因は以下の7つです。

    1. スキル不足で業務についていけない
    2. 人間関係が上手くいっていない
    3. 「1人現場」で頼れる人がいない
    4. 常駐先のルールに馴染めない
    5. スキルアップできる気がしない
    6. 希望する案件に参画できていない
    7. 正しい評価をされていない

    順番に見ていきましょう。

    原因1.スキル不足で業務についていけない

    SESは、事前面談でスキルのマッチ度を確認してから案件参画が決まります。多くの場合、エンジニアのスキルと案件で求められるスキルが合致しないと参画できません。

    しかし企業によっては、スキルのミスマッチが起こっていても案件参画が決まるケースもあります。主な原因は以下の通りです。

    • 営業がエンジニアのスキルを正しく把握していない
    • 利益を優先したい企業が経歴詐称を強要する
    • 人材不足から多少スキル不足でも契約が成立した

    このような背景から案件参画が決まると、エンジニアはスキル以上の業務をこなすことになります。

    エンジニア自身が「スキルアップの良い機会だ」と前向きに捉えられればいいのですが、そうでない場合は「現場に迷惑をかけてばかりで辛い……」と抜け出したくなってしまうのも無理はありません。

    原因2.人間関係が上手くいっていない

    SESは、参画する案件によって職場が変わるため、人間関係の悩みが多い職種です。

    • すでに派閥ができあがっていて馴染めない
    • 責任者やメンバーに高圧的な態度を取られる
    • SESを見下している人が多くて居心地が悪い

    このような人間関係の悩みから、ストレスを感じる人は少なくありません。案件そのものに問題がなくても、人間関係が上手くいっていないと業務に集中できないでしょう。

    原因3.「1人現場」で頼れる人がいない

    1人でクライアント企業に常駐する「1人現場」が辛いと感じる人も多いです。

    SESエンジニアが1人で客先常駐をするのは違法行為と見なされていますが、実際の現場ではグレーゾーンとなっています。

    1人で客先常駐をしていると「気軽に会話や相談できる相手がいない」と、疎外感や孤独感を感じやすくなります。特に職場で浮いていると、強いストレスから現場を変えたくなるでしょう。

    原因4.常駐先のルールに馴染めない

    SESは、クライアント企業に常駐して働きますが、現場が変わるとその企業のルールに適応しなければなりません。

    企業によってさまざまな指定があるため、中には「自分には合わないルールだな……」と感じることもあるでしょう。

    例えば以下の通りです。

    • 会議が多すぎる
    • 朝礼スピーチがある
    • 使用するツールやエディタに指定がある
    • 始業15分前には出社していなければならない
    • 髪色や服装に厳しい

    ルールがあまりにも厳しすぎたり、前の現場とは異なるルールだったりするとストレスを感じてしまいます。業務に集中できないため、現場を変えたくなるのも無理はありません。

    原因5.スキルアップできる気がしない

    SESは、下流工程の案件が多いです。

    下流工程の業務は高度なスキルをあまり必要とせず、中には動作チェックやデータ入力などの単純作業ばかりになることもあります。

    エンジニア未経験でも働きやすいのは魅力ですが、あまりにも単純作業ばかりが続くと、苦痛を感じたり、将来が不安になったりするでしょう。

    特に成長意欲の高い人は「単純作業=時間の無駄」と考えて、成長を実感できない現場はすぐに変えたくなるかもしれません。

    原因6.希望する案件に参画できていない

    自分で案件を選べないSES企業に属していると、自分の希望条件とは異なる案件に参画するケースがあります。

    • スキルアップしたいのにまたテスト作業……
    • 習得した技術を活かしたいのに全然関係ない……
    • 自宅から近い現場を希望したのに片道1時間以上……

    このような希望と異なる案件に参画していると、業務に対するモチベーション維持が難しいでしょう。特に将来設計がしっかりある人は、一刻も早く希望の現場に変えたいと感じているかもしれません。

    原因7.正しい評価をされていない

    SESは、クライアント企業で働きますが、その現場に上司がいることはほとんどありません。

    エンジニアの評価は「クライアント企業が自社に報告する」「帰社日に自分で報告する」のどちらかになります。しかし、どちらも上司にとって間接的な意見になるため、正しい評価を受けるのは難しいでしょう。

    特にクライアント企業が評価をする場合、その評価基準は現場によって異なります。厳しい評価基準の現場にあたると「あれだけ頑張ったのに……」と大きくモチベーションが下がってしまうため、現場を変えたくなる要因になるのもうなずけます。

    SESの現場を変えたいときに取るべき行動5ステップ

    ここからは、SESの現場を変更したい場合の対処法をお伝えします。

    以下5つの手順を踏めば、後悔やトラブルなくスムーズに現場を変えられるでしょう。

    1. 現場を抜けたい理由を整理する
    2. 自分の努力で状況を変えられないかを考えてみる
    3. 営業担当者もしくは直属上司に現場変更を打診する
    4. 現場を抜けるタイミングを調整する
    5. 後任者へ業務の引き継ぎをする

    順番に解説します。

    1.現場を抜けたい理由を整理する

    まず「現場を抜けたい理由」を整理することが重要です。というのも、相応な理由がないと現場の変更は難しいからです。

    エンジニアが現場変更の申し出をすると、営業担当者は契約終了のやり取り・請求書作成などの追加業務が発生します。またエンジニアの途中退場に対して心象を悪くするクライアントもいます。企業間の関係悪化を防ぐためにも、なるべく途中退場はさせたくないでしょう。

    そのため、案件変更の意思を伝えても、営業担当者はあいまいな返事をしたり説得してきたりすることが多いです。

    現場を変えるには「営業担当者を納得させる必要がある」ことは頭に入れておきましょう。

    2.自分の努力で状況を変えられないかを考えてみる

    現場を抜けたい理由を整理したら、自分の努力で状況を変えられないかを考えてみることも大切です。

    もしかしたら、その悩みは「現場を変えなくても解消できる」かもしれません。例えば以下のような考え方があります。

    不満解決法
    スキル不足で厳しいスキルアップする良い機会と捉える
    人間関係に馴染めない勇気を出して自分から話しかけてみる
    やりたい業務ではない現場内での部署異動を相談してみる

    このように、現場を変えなくても解決できる悩みもあります。営業担当者や上司に相談してみるのもおすすめです。

    3.営業担当者もしくは直属上司に現場変更を打診する

    現場を変えないと解決しない悩みであれば、営業担当者もしくは直属上司に打診しましょう。相応の理由があれば手続きを進めてくれます。

    直近に帰社日があれば直接口頭で伝えることをおすすめしますが、会う機会がないのであればメールで伝えても構いません。その際は以下を意識しましょう。

    • 現在の状況を伝える
    • 現場を変えたい理由をポジティブに伝える
    • 強い意思を持って伝える

    ネガティブな理由やあいまいな意思で伝えると説得される可能性が高いです。そのため「〇〇のスキルを身につけたいです」「変えてくれないなら転職も考えます」と、ポジティブかつ強い意思で伝えることが重要です。

    4.現場を抜けるタイミングを調整する

    現場の変更を認めてもらえたら、そのまま営業担当者もしくは直属上司と、抜けるタイミングの調整をします。

    SESの契約は1〜3ヶ月単位で締結されているため、契約更新のタイミングに合わせて調整するのが一般的です。

    切りの良い時期に相談しないと、現場を抜ける時期が伸びる可能性もあります。契約期間を把握できていない場合は、営業担当者に確認しておきましょう。

    5.後任者へ業務の引き継ぎをする

    現場を抜けるタイミング調整をしたら、後任者へ業務の引き継ぎをします。

    あなたは、一刻も早く今の現場を変えたいかもしれません。しかし、引き継ぎをせずに抜けてしまうと、所属企業と常駐先の関係が悪化して自身の評価にも影響します。

    また、引き継ぎが不十分だと、現場を抜けた後に何度も連絡が届く可能性もあるので、引き継ぎはしっかり済ませましょう。

    なお、引き継ぎ資料には、以下の内容を記載するとスムーズに進みます。

    • 担当業務と目的
    • 業務の手順と注意点
    • 関係者の氏名と連絡先
    • 現在の課題やトラブル事例
    • 使用するツールやフォルダパス

    後任者に迷惑をかけないように、丁寧な引き継ぎを行いましょう。

    SESの現場をスムーズに変える4つのポイント

    あなたが現場を変えるのは、少なからず自社にも常駐先にも迷惑をかける行為です。場合によってはトラブルが起きるかもしれません。

    そこで、SESの現場をスムーズに変える4つのポイントを理解しましょう。

    1. 契約更新のタイミングで断る
    2. 現場には所属企業を経由して伝える
    3. 正直な理由を伝える
    4. なるべく早めに相談しておく

    順番に解説します。

    ポイント1.契約更新のタイミングで断る

    営業の工数や常駐先の意向を考慮すると、SESが契約途中で現場を変えるのは難しい面があります。営業を納得させることに悩まれる方も多いかもしれません。

    もし契約途中で現場変更を申し出にくい場合は、契約更新のタイミングで延長を断りましょう。契約を延長するかはエンジニアの自由ですので、比較的スムーズに手続きを進められます。

    精神的限界や体調不良を起こしているのであれば、待つ必要はありません。しかし、SESの契約は1〜3ヶ月ごとに更新となっており、待てるのであれば更新のタイミングで断るのがおすすめです。

    ポイント2.現場には所属企業を経由して伝える

    現場を変えるときの相談は、必ず自社の営業担当者か上司にしましょう。というのも、SESの契約は企業間で結ばれているからです。

    現場の責任者に直接伝えてしまうと、企業間トラブルに発展する可能性があります。

    トラブルが起きると、現場を抜けるタイミングを逃してしまうかもしれません。必ず所属企業を経由して伝えましょう。

    ポイント3.正直な理由を伝える

    自社の現場変更を打診するときは、正直な理由を伝えるようにしましょう。

    嘘の理由を伝えてしまうと、次の案件でも同じような失敗をしてしまう可能性があります。正直な理由を伝えておけば、営業担当者もそれに配慮した案件を紹介してくれるはずです。

    ただし、本音でもネガティブな理由では、引き止めにあったり会社からの印象が悪くなったりします。そのため、もし「スキルアップできない」なら「〇〇のスキルが身に付く案件に入りたい」のようにポジティブに変換することを心がけましょう。

    ポイント4.なるべく早めに相談しておく

    SESが現場を変える際は、営業担当者が常駐先とスケジュール調整をしたり、自身も後任者に引き継ぎを行ったりと多くの時間を要します。

    また、契約更新のタイミングを待っても、自社や常駐先の都合によって延長せざるを得ないシーンも考えられるでしょう。

    そのため現場変更は、なるべく早めに相談しておくことをおすすめします。契約更新の2ヶ月前くらいに相談すると、スムーズに変更してもらいやすいです。

    SESの現場を円満な関係のまま変えられる?

    SESエンジニアが現場を変えたいと伝えれば、自社の営業担当者は追加業務が発生します。常駐先もあまり良い気持ちではないでしょう。

    そのような背景から円満に過ごしたい方は、現場の変更を申し出にくい方もいるかもしれません。そこで重要になるのが、以下の2点になります。

    1. 日頃から営業担当者に状況報告をしておく
    2. 最終日まで手を抜かずに業務をこなす

    まず営業担当者と円満な関係を続けていくには、日頃から状況報告をしておくのがおすすめです。

    日頃から不満点を共有しておけば、現場を抜けたい理由に納得してもらえる可能性が高まります。また常駐先に現場を抜ける意思は営業担当者が伝えるのですが、話を進めやすいことからスムーズに引き受けてくれるでしょう。

    常駐先と円満な関係のまま過ごしたい場合は、最終日まで手を抜かないことが何よりも大切です。「この現場は合わないから」「もうすぐ抜けるから」と適当に業務をこなすと、現場に迷惑がかかり、自社や営業担当者との関係悪化にもつながります。

    現場に迷惑をかけないためにも、引き継ぎをしっかり行い、最後まで丁寧な仕事をこなしましょう。そうすれば、気持ち良く現場から抜けられます。

    SESエンジニアが希望現場に入る3つのコツ

    現場を変更しても再び失敗するケースがあります。何度も現場変更を打診するのは気が引けますし、所属企業からの印象悪化は避けたいところです。

    そこで、SESエンジニアが希望現場に入るためのコツを3つお伝えします。

    1. 営業担当者に希望条件やキャリアプランを伝える
    2. 新たな技術や資格取得に挑戦する
    3. SES面談の対策をする

    順番に見ていきましょう。

    コツ1.営業担当者に希望条件やキャリアプランを伝える

    まずは、営業担当者に希望条件やキャリアプランを伝えましょう。自分の意思をはっきり伝えることで、あなたに合った案件を探しやすくなるからです。

    また、「どのようなスキルを持っているか」「将来のためにどのような準備をしているか」も合わせて伝えましょう。エンジニアのスキルや考えが把握できていれば、営業担当者も自信を持ってクライアントに売り込みができます。

    すぐに希望現場に入れるとは限りませんが、伝え続けることで「この案件は〇〇さんに合いそうだな」と思ってもらえるきっかけが生まれます。

    コツ2.新たな技術や資格取得に挑戦する

    新しい技術や資格習得をすることも重要です。希望現場で必要とされる技術や資格について勉強することで、案件に参画しやすくなるでしょう。

    また、営業担当者に努力していることが伝われば、スキルアップにつながる案件を紹介してくれたり、技術力の高いエンジニアと同じ案件に入れてもらえたりする可能性も高まります。

    コツ3.SES面談の対策を徹底する

    希望する案件を紹介してもらえても、SES面談で失敗すると現場に入れません。確実に参画するためにも面談対策を徹底しましょう。

    SES面談を成功させるには、次のようなポイントがあります。

    1. 企業研究を徹底する
    2. 経歴や実績をわかりやすく説明する
    3. 口角を上げて話す
    4. 社会人としての常識ある行動を取る
    5. 質問の答えや逆質問を準備しておく

    このような対策をすることで、希望現場に参画できる可能性がグッと高まります。ぜひ意識してみてください。

    SESの現場を変更できない・希望案件に入れないときの対処法

    営業担当者と相性が悪かったり、企業がエンジニアの精神面を考えていなかったりすると、現場変更を申し出ても動いてくれないケースもあります。

    仕事では忍耐力も大切です。しかし、精神的にきつい状況が続くと体調不良を引き起こしたり、自身のキャリアプランが崩れてしまったりするリスクもあります。

    そのため、もし営業担当者や上司が話を聞いてくれないのであれば、思い切って所属企業の変更を検討するのも重要な手段です。

    同じSESでも企業によって環境は大きく異なります。特に優良企業は案件が豊富にあるため、エンジニアの意向に沿った現場を紹介する環境が整っています。

    またSESの経験があれば、別のIT職種に転職することも難しくありません。実際に弊社を利用された方の中には、転職しただけで環境が劇的に変わった、年収が200万円以上アップしたという喜びの声も上がっています。

    SESからの転職事情は以下の記事で解説していますので、少しでも転職を検討しているならぜひご覧ください。

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    まとめ:SESの現場を変えたいなら早めに行動しよう

    SESは、案件ごとに現場が変わるため「合わない」「変えたい」と感じるのは普通のことです。

    合わない現場で頑張る忍耐力もときには大切ですが、あまり無理をしすぎると健康被害やキャリアプランの崩れなど、人生が台無しになるリスクもあります。

    そのため、今の案件に不満がある場合は、なるべく早めに営業担当者に相談しましょう。健全な企業であれば、あなたの精神面を考慮して現場を変えてくれるはずです。

    もし話を聞いてくれないのであれば、所属企業を変える選択肢も検討してください。SESからでも転職は難しくありませんので、仕事のためにあなたが犠牲になる必要はありません。エンジニアのことを大切にしてくれる企業のもとで働きましょう。