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SESの闇を徹底解明!闇が深いと言われる4つの理由とやばい現場の特徴
この記事の内容
SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアをクライアント企業に常駐させる契約形態のことです。成果物ではなく労働力を提供するサービスであるため、一般的なエンジニアはもちろん、未経験者でも活躍しやすいとされています。
しかし、SESは「闇が深い」「ブラック企業が多い」と言われることもあり、これから転職を考えている方は不安を感じているのではないでしょうか。
そこで本記事では、SESは闇が深いと言われる4つの理由・やばい現場の特徴6選を解説します。
結論からお伝えすると、SESは企業選びさえ間違えなければおすすめできる職種です。働くメリットや優良企業の見分け方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
SESは闇が深いと言われる4つの理由
「SESは闇が深い」と言われるのは、以下4つの背景があります。
- 指揮命令権があやふやになりやすい
- 客先常駐の働き方で帰属意識を持ちにくい
- 多重下請け構造で給料が低くなりやすい
- 案件ガチャでスキルを伸ばしにくい
順番に詳しく見ていきましょう。
理由1.指揮命令権があやふやになりやすい
最もよく言われるのは、指揮命令権があやふやになりやすい点です。
SESの指揮命令権は「所属企業」にあります。よって、クライアント企業はSESエンジニアに対して、契約外の業務や残業・休日出勤を命ずることができません。
しかし、実際の現場ではこの原則が守られていないことも多く、クライアント企業から指示を受けているエンジニアも一定数います。
- 所属企業とクライアントどちらの指示を守ればいいかわからない
- 残業や休日出勤が少ないと聞いていたのに全然話が違う
このような不満やトラブルから「SESは闇」と言われることがあります。
そもそも、SES契約でクライアント企業が指示を出すのは「偽装請負」で法律違反です。優良企業では起こり得ない事象ですので、企業選びは慎重に行いましょう。
参考:厚生労働省「あなたの使用者はだれですか?偽装請負ってナニ?」
理由2.客先常駐の働き方で帰属意識を持ちにくい
SESの「客先常駐」という働き方そのものに不満を感じる方もいます。
SESエンジニアは、自社の社員とほとんど会う機会がありません。そこでクライアント企業でも補填人員として扱われることが多いからです。「自分はどこの企業で働いているのだろう……」と虚しい気持ちになり、転職を考える方も一定数存在します。
ただ、優良企業はそういったSESエンジニアの気持ちを理解しているため、月1回程度で帰社日を設けていたり、季節ごとに懇親会や飲み会などの社内イベントを行っていたりします。
帰属意識の薄れが気になる方はチェックするといいでしょう。
理由3.多重下請け構造で給料が低くなりやすい
IT業界の「多重下請け構造」も不満を抱く原因になっています。
多重下請け構造とは、発注元のエンド企業から1次請け・2次請け・3次請け……と業務を委託していくピラミッド型の構造を指し、SES企業は商流の深い位置にある場合が多いです。
この多重下請け構造では、下請けに業務を発注する際にマージン(仲介手数料)を抜くのが一般的とされています。つまり、商流の深い場所に位置するSES企業は、案件単価が低くなってしまうのです。
SESでも高単価案件を保有している企業は多数存在します。ただ下請けすぎる案件しかない企業では「仕事を頑張っても給料が上がらない……」と嘆くことになるでしょう。
理由4.案件ガチャでスキルを伸ばしにくい
案件ガチャとは、参画する案件が運要素で決まる状況を意味します。
SESは、未経験からでもスキルを伸ばしていけるのが魅力です。しかし、スキルアップにつながる案件に参画できなければ難しいでしょう。
優良企業では「案件選択制度」を採用しているため問題ないのですが、選べないSES企業に属していると、いつまでも望んだ仕事ができない可能性があります。
スキルアップができないと単価アップも望めません。SES企業を選ぶ際は「案件を選べるか」も確認しておきましょう。
SESの闇…人生終了になりかねないやばい現場の特徴6選
「SESは闇」「人生終了」と言われることもありますが、それは一部の企業に属した場合のみです。
ここからは、そんな一部のやばい現場を紹介します。以下6つのいずれかにでも当てはまるなら、その企業への入社は避けるべきでしょう。
- 経歴詐称を強要される
- エンジニアと関係のない仕事を任される
- エンジニアを1人で客先常駐させている
- 未経験歓迎としながら教育制度がない
- 給料と仕事量が合っていない
- 待機期間で給料が大幅にカットされる
上記はいずれも、ブラック企業によく見られる特徴ですので、ぜひ参考にしてください。
やばい現場1.経歴詐称を強要される
経歴詐称とは、クライアント企業に提出するスキルシートや事前面談で”嘘の内容”を報告する行為を指します。
例えば、以下の通りです。
- 業務未経験なのに経験2年と詐称する
- 1ヶ月触った程度の言語を3ヶ月経験と詐称する
- 持っていない資格を保有していると詐称する
SES企業は、エンジニアに案件参画してもらわないと赤字になってしまいます。そのため、一刻も早く参画先が決まるように、経歴詐称を強要するケースがあるのです。
当然ですが、経歴詐称をして案件参画を決めても業務で苦しむだけでしょう。能力以上の業務を任されるため、精神的に追い込まれる方も少なくありません。
よって、経歴詐称を強要するSES企業は「自社の利益ばかりでエンジニアのことを一切考えていない」と言えます。
「経験が浅いうちは仕方ない」と思われるかもしれません。しかし、優良企業は豊富な案件から適切なものを選んだり、先輩エンジニアを一緒に参画させたりしてスキルアップを促してくれます。経歴詐称をする企業からはすぐに離れましょう。
やばい現場2.エンジニアと関係のない仕事を任される
SESの中には、エンジニアと関係のない仕事を任せる企業もあります。例えば、「研修」や「試用期間」と称して家電量販店やコールセンターに派遣するのはよくあるケースです。
未経験で入社すると「仕方ない」と思いがちですが、エンジニアの経験が積めるわけではないため、結局は家電量販店やコールセンターの案件をこなすだけになります。
ただ時間が過ぎるだけならまだ良いのですが、クレーム対応にメンタルを病んでしまい、その後の転職活動に悪影響となる方も珍しくありません。
優良企業なら教育や研修制度がしっかり整っています。もしエンジニアと関係のない仕事をさせられる場合は、早めに離れることをおすすめします。
やばい現場3.エンジニアを1人で客先常駐させている
エンジニアを1人で客先常駐させる企業にも注意が必要です。
「SESは闇が深いと言われる4つの理由」でも解説した通り、クライアント企業がSESエンジニアに直接指示を出すのは違法行為となります。エンジニアを1人で常駐させると、その違法行為が起こりやすいため、健全な企業なら対策を打つはずです。
そもそも、経験の浅いエンジニアを現場で孤立させるのは、良い会社とは言えません。わからないことを気軽に質問できない環境では、悩んで転職を考える方が多いでしょう。
よって、エンジニアを1人で常駐させる企業は、社員を捨て駒のように考えている可能性が高いです。長く働きたいなら避けることをおすすめします。
やばい現場4.未経験歓迎としながら教育制度がない
SESは未経験歓迎の求人募集がたくさんあります。しかし、教育制度が整っていない企業は避けるべきです。
教育制度のない企業では、以下の未来が容易に想像できます。
- 誰でもできる雑務ばかりを任されてスキルアップができない
- ミスマッチな現場に配属されて精神を追い込まれる
上記はいずれも「エンジニアが辞めてしまう原因」になります。よって、社員を大切にしている企業とは言えません。
ブラック企業はすぐに社員が辞めてしまうことから「教育コスト=無駄」と考える傾向にあります。教育制度の有無は優良企業の判別に役立ちますので、確認するようにしましょう。
やばい現場5.給料と仕事量が合っていない
SESは、給料がそこまで高くありません。多重下請け構造の弊害があるため仕方のない部分があります。
しかし、仕事量と給料があまりにも見合っていない場合は、企業に問題があるかもしれません。給料と仕事量が見合わない理由は、以下の2つが考えられます。
- 下請けすぎる案件しか保有していない
- 自社が必要以上に利益を中抜きしている
上記の場合、エンジニア側の努力で給料を上げるのは難しいでしょう。
特に後者の「自社が必要以上に利益の中抜きをしている」のは、社員を大切にしている企業とは言えません。SESの給料還元率は50〜60%が一般的です。
案件単価の半分も還元されていない場合は、ブラック企業の可能性を疑いましょう。
やばい現場6.待機期間で給料が大幅にカットされる
SESでは、次の常駐先が決まるまで待機期間が発生する場合があります。
経験の浅い状態では、参画できる案件数が絞られるでしょう。そのため、待機期間が発生すること自体は珍しくありません。
しかし、この待機期間中に給料を60%までカットする企業は”やばい現場”の可能性があります。というのも、労働基準法(第26条)によって「会社は社員が働けない場合でも60%以上の給料を保証しなければならない」と定められているからです。
ブラック企業はこの制度を利用して、待機期間中の給料を減額することが多いです。
「働いていないから仕方ない」と思われるかもしれませんが、社員を大切にしている優良企業は、社内での待機期間中であっても100%の給料を支払う傾向にあります。もしくは、自社の業務を任せるのが一般的です。
待機期間で給料を大幅にカットするのは、「企業が利益を上げていない」「営業力が低くて案件数が少ない」と予想できます。給料だけで判断できるものではありませんが、いずれにせよ、将来性のある会社とは言えないでしょう。
SESは闇だけでなく光も!未経験から働く4つのメリット
SESは闇が深いと言われていますが、人によっては魅力の方が強いと感じるかもしれません。
ここからはSESとして働く4つのメリットを紹介します。
- 未経験でも正社員採用されやすい
- 残業が少なくワークライフバランスを保ちやすい
- エンジニアとしての人脈を広げやすい
- コミュニケーション能力が身につきやすい
順番に見ていきましょう。
メリット1.未経験でも正社員採用されやすい
SESは、多重下請け構造によって給料が低くなりがちです。しかし裏を返すと、未経験でも働きやすい案件が多いとも言えます。
他のエンジニア職の場合、未経験者は書類選考で落とされる可能性が高いです。仮に未経験枠で採用されても、業務についていけずに挫折してしまうかもしれません。
SESなら、実務を通して徐々にスキルと自信を高めていけます。スキルアップをすれば上流工程の職種に転職もできるため、未経験者がエンジニアの世界に足を踏み入れるには打ってつけの職業でしょう。
メリット2.残業が少なくワークライフバランスを保ちやすい
SESは、他のエンジニアと比較して残業時間が少ない傾向にあります。
というのも、SESは労働力を提供するサービスであるため、契約内容に労働時間が含まれる場合が多いからです。よって、クライアントは契約内容以上の残業や休日出勤を依頼できません。
他のエンジニアは、納期に合わせて長時間残業や休日出勤で対応を迫られることがあります。しかし、SESは決められた時間以上に働くことはほとんどありません。
ワークライフバランスを保ちやすいため、ゲーム・推し活・子育てなど、プライベート時間を大切にしたい方にはぴったりな仕事でしょう。
メリット3.エンジニアとしての人脈を広げやすい
SESは、客先常駐で職場を転々とします。人間関係が安定しないことに不満を感じる方もいますが、人脈を広げたい方には大きな魅力となるでしょう。
特にSESからキャリアアップ転職やフリーランス独立を考えているのなら、広げた人脈でチャンスをつかめるかもしれません。常駐先の企業からヘッドハンティング(引き抜き)を受けたり、案件の紹介をしてもらったりできる可能性があるからです。
転職や独立の気がなくても、常駐先のさまざまなメンバーと関わりを持つことで友人ができたり、新しい知識を吸収できたりします。このように考えると、客先常駐の働き方も魅力的に映るのではないでしょうか。
メリット4.コミュニケーション能力が身につきやすい
「コミュニケーションに苦手意識がある……」という方は、あえてSESで働いてみるのもおすすめです。
エンジニアはチームでプロジェクトを進めるため、少なからずコミュニケーションが求められます。その中でも、職場を転々とするSESは初対面で関わる人が圧倒的に多いです。働いているだけで自然にコミュニケーション力が磨かれていくでしょう。
コミュニケーション力が身につけば、リーダーやマネジメント職に出世や転職できる可能性が広がります。エンジニア職以外でも重宝される汎用性の高いビジネススキルであるため、身につけておいて損はないでしょう。
SESの闇を回避!優良企業を見分けるポイント
SESの闇やブラック企業の特徴は紹介しましたが、それだけで求人の良し悪しを判断するのは心許ないかもしれません。
そこで優良SES企業を見分けるポイントも紹介します。求人票やWebサイトでは、以下の項目をチェックしてみてください。
- 社員の離職率が低い
- 研修や教育制度が整っている
- 評価制度やキャリアパスが明確にされている
上記のポイントは一部にすぎません。さらなるポイントやその詳細は、以下の記事にて解説しています。企業選びに失敗したくない方は、ぜひあわせて参考にしてください。
未経験者はSESからのキャリアアップがおすすめ
SESは、闇が深いと言われることの多い職業です。多くの不満は一部の企業に限った話ですが、多重下請け構造や客先常駐の働き方など変えられない部分もあります。
しかし、未経験からエンジニアを目指すのであれば、SES以上に適した職業はありません。一般的なエンジニア職は高度なスキルと経験が求められるところ、SESなら簡単な案件をこなしながら徐々に成長していけます。
そのため、IT業界に未経験で足を踏み入れるなら、まずはSESで経験を積むといいでしょう。
1〜3年の実務経験を積めば、エンジニアとしてある程度のスキルが身につけられるはずです。そのタイミングで転職を検討すれば、理想のIT企業に出会える可能性が高まります。
ただし、本記事でも解説した通り、悪質なSES企業に入社してしまうと時間だけが無駄になるでしょう。ブラック企業の特徴や優良企業の見分け方も紹介しましたが、転職活動が初めての場合、不安が大きいことから行動に移せない方もいるかもしれません。
そこで、もし転職活動に不安や悩みを抱えているのなら、ぜひ「オタクの転職」を活用ください。年間200人以上のITエンジニア・プログラマーの転職を支援しており、あなたにぴったりな求人選びのサポートをいたします。
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まとめ:SESは闇が深い企業も!しっかりと見極めよう
SESは闇が深いと言われる背景には「多重下請け構造」「客先常駐」「案件ガチャ」「偽装請負」などの不満があります。
しかし、SESの闇は一部のブラック企業だけにある事実です。優良なSES企業には当てはまらないことも多く、ネット上のマイナス意見だけで転職を諦めるのはもったいないと言えます。
「優良企業に入れるか不安がある」という方は、オタクの転職がサポートしますので、SESに興味のある方は、ぜひ前向きに検討してみてください。