2024/05/27
  • IT転職

    SESは未経験からだと難しい?真相と6つのメリット・成功の秘訣を紹介

    未経験からITエンジニアを目指すなら「SES」で経験を積むのがおすすめです。

    しかし、「本当に未経験からSESになれるの?苦労するのでは……?」と不安を感じている方も多いかもしれません。

    そこで本記事では、未経験からSESになるのは難しくない理由や目指すメリット、SES転職を成功させるポイントや優良企業を見分けるポイントまでを一挙解説します。

    未経験からのSES転職で失敗したくない方は、ぜひ参考にしてください。

    未経験からSESになるのは難しくない

    SESは、ITエンジニアとして働く第一歩です。

    「未経験からは難しいのでは?大変なのでは?」と考える方が多いかもしれません。しかし結論として、SESは未経験からでも十分に目指せます。

    その理由は、以下の3つです。

    1. 人手不足な業界であるため
    2. 研修や教育制度のある会社が多いため
    3. 最初は難しいスキルを求められないため

    最も大きな理由は「人手不足」であることです。近年のスマホの普及にともないIT人材の需要は高まっていますが、少子高齢化により労働人口は減少しています。

    つまり、需要に供給が追いついていないのがIT業界の現状で、その傾向は今後も続くと予想されています。実際に経済産業省の調査資料を確認すると、2030年までにIT人材は45万人も不足するとのことです。

    出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」

    また、厚生労働省の「働き方・休み方改善ハンドブック」によると、所定労働時間が80時間を超えるIT企業が65.3%と、人手不足の影響からエンジニアに大きな負荷がかかっていることが判明しています。

    このようにIT業界は人手不足であるため、研修や教育にコストをかけてでも人材を欲しているのです。当然、入社したばかりで高度なスキルを求められることもありません。

    長時間残業を懸念される方もいるでしょう。とはいえ、残業の少ない企業もありますし、ステップアップによる解消も期待できます。

    こんな気持ちがあるなら未経験のSESはやめとけ!3つの特徴

    SESは未経験からでも目指せますが、以下の3つに当てはまる方にはあまりおすすめできません。

    1. 給料が低い職種で働きたくない
    2. 常に勉強やスキルアップを続けるのはつらい
    3. 下請けの最下層で働きたくない

    順番に解説します。

    1.給料が低い職種で働きたくない

    SESは給料が低い職種と言われています。というのも、SESは多重下請け構造の最下層にあたるからです。

    多重下請け構造では、最下層に近づくほど抜かれるマージン(仲介手数料)が多くなるため、最下層であるSES企業は利益が少なくなってしまいます。利益が少ないゆえに社員の給料も低くなってしまうのです。

    もちろん、SESでも企業によっては給料が高いところもありますし、最初は低くてもスキルアップをすることで給料を上げていくこともできます。

    2.常に勉強やスキルアップを続けるのはつらい

    SESに限らず、IT業界は変化が激しい業界です。そのため常に勉強やスキルアップを続けることが求められます。そういった勉強やスキルアップの意欲がないとIT業界・SESには向きません。

    特にSESは、下請け構造の最下層であるため、高いスキルが必要な業務を任されることが少ないです。つまり、キャリアアップするためには「自ら進んで学びに行く姿勢」が求められるため、自走力のない方は不満が募るかもしれません。

    ただ、企業によってはスキルアップ研修があったり、上流工程に携われたりしますので、企業選びを慎重に行えば回避も可能です。

    3.下請けの最下層で働きたくない

    ここまでの話でお伝えした通り、SESは多重下請け構造の最下層にあたります。そのため、給料が低くなりがちですし、仕事内容も高度なスキルを必要としない雑務系を任される傾向が強いです。

    だからこそ「未経験でも採用されやすい」と言えるのですが、そういった下請けの最下層で働くのに抵抗を感じる方は、SESの仕事は合わないと感じるでしょう。

    SESは未経験からIT業界でキャリアアップするのにおすすめ

    SESは、下請けの最下層とマイナスな印象がありますが、未経験からITエンジニアを目指すのであれば、まずはSESとして働くのがおすすめです。

    そもそも、現在ITエンジニアとして活躍している方のほとんどが、SESからキャリアをスタートさせています。

    厚生労働省の「働き方・休み方改善ハンドブック」によると、世の中のITエンジニアを抱える企業の9割はSES企業と報告されています。また、その中でもSES社員の割合が7割を超える企業は全体の28,8%とのことです。

    つまり、SESはIT業界における下積みで、未経験からIT業界でキャリアアップするには欠かせないステップといえます。

    まずはSESで経験を積んでから、上流工程へとキャリアアップを目指してみてください。

    未経験からSESになる6つのメリット

    続いて、未経験からSESになるメリットを6つまとめました。

    1. 未経験でも働きやすい
    2. 収入が安定しやすい
    3. 豊富な案件からスキルや経験を積める
    4. 大手企業や大型の案件に携われる可能性がある
    5. 人脈を広げやすい
    6. ワークライフバランスを整えやすい

    順番に解説します。

    1.未経験でも働きやすい

    SESが持つ最大の魅力は、未経験でも働きやすいことです。ITエンジニアは高度なスキルが必要であるため、実務経験がないと転職は難しい傾向にあります。

    しかし、SESは下請け構造の最下層であるため、基本的にはそこまで高度なスキルが必要とされていません。

    「ポテンシャル採用」が行われることも多く、研修や教育制度が整った企業を選べば、未経験者でもスキルを要しないIT業務からスタートできるでしょう。繰り返しますが、ITエンジニアを目指すのであれば、まずはSESで経験を積むのがおすすめです。

    2.収入が安定しやすい

    SESは、時間給であるため収入が安定しやすいです。

    エンジニアの企業の中には、仕事を完成させて給料が発生する成果報酬型のケースも多く、そういった場合は給料が安定しません。契約の単価や期間に応じて給料が変わるからです。

    そこで、時間給なら働いた時間に応じて給料が支払われるため、毎月の給料がある程度想定できます。

    ただし、SESでも待機期間中は給料が一切発生しない企業もありますので、企業選びの際は必ず待遇を確認するようにしてください。

    3.豊富な案件からスキルや経験を積める

    SESは、客先に常駐して働く職種です。

    職場を転々とするのをデメリットに感じる方もいます。しかし逆に言えば、さまざまな案件に携われる魅力があります。各企業や業界のノウハウを身につけられるのは、自社開発で働くエンジニアにはできないことです。

    特にやりたいことがない方は、SESとして豊富な案件に携わることで、やりがいや得意なことが見つかるかもしれません。スキルや経験を積めばキャリアアップの道も開けます。

    4.大手企業や大型の案件に携われる可能性がある

    未経験からITエンジニアを目指す際、いきなり大手企業に就職するのは容易ではありません。

    しかし、さまざまな案件を扱っているSESであれば、大手企業や大型プロジェクトに参画できる可能性があります。そういった大規模な案件に携われれば、自身のスキルアップも望めるでしょう。中には、常駐先の企業からスカウトを受ける場合もあります。

    もちろん、大きな案件に携わるには実績やスキルが必要です。その中でも、未経験から大企業に就職を目指すよりは、ハードルが低くなる傾向にあります。

    5.人脈を広げやすい

    SESはさまざまな案件に携われるため、人脈を広げやすいのも魅力です。

    特に、将来フリーランス独立やキャリアアップ転職を検討している方は、広げた人脈が活きる可能性があります。例えば、案件の紹介であったり、ヘッドハンティングであったりが挙げられます。

    また、エンジニアの知り合いが増えることで、仕事に対するモチベーション維持をしやすくなる側面もあります。

    6.ワークライフバランスを整えやすい

    SESは、ワークライフバランスを整えやすいのも大きな魅力です。というのも、SESは時間単価で報酬が発生するからです。

    働く時間が長くなれば、企業の負担が大きくなるため、基本的にSESは残業が少ない傾向にあります。

    成果報酬型のITエンジニアは、納期に合わせて長時間残業や休日出勤を命じられることも多いのです。しかし準委任契約のSESには、成果物の納品義務がなく、無理に労働時間を増やす必要はありません。指名命令権もSES企業が持っているため、SESに対して常駐先から労働時間を指示されることもないです。

    SESは給料が少ない傾向にありますが、安定した収入とプライベート時間を確保することが重要と考える方には合っている働き方です。

    未経験からSES転職を成功させる3つのポイント

    未経験からSES転職を成功させるポイントは、以下の3つです。

    1. キャリアプランを明確にする
    2. 自主的な勉強・スキルアップを心がける
    3. 優良企業かどうか精査して慎重に選ぶ

    順番に解説します。

    1.キャリアプランを明確にする

    未経験からSES転職を目指す際は、まずキャリアプランを明確にしましょう。

    ここまで解説した通り、SESは下請け構造の最下層にあたるため、給料が低くなりがちです。つまり、キャリアアップを前提にしておかないと不満を溜めるばかりになります。

    しかし、あらかじめキャリアプランを明確にしておけば、SESの待遇に不満を感じても「今はスキルや経験を積み重ねる期間だ」と割り切って働くことができます。

    「いきなりキャリアプランを考えるなんて難しい」と感じる方も多いかもしれませんが、そういった方は、IT業界に詳しい専門家がいる転職サービスを利用してみるのがおすすめです。

    2.自主的な勉強・スキルアップを心がける

    SESは、下請けの業務が多いため、言われたことだけをしていてもスキルアップは望めません。キャリアアップを目指すには、自主的に勉強をする姿勢が求められます。

    また、IT業界は変化が激しいため、知識や技術をアップデートしていかなければ案件の受注が難しくなってしまいます。

    裏を返せば、自主学習ができる人材は会社から重宝されるため、着実にキャリアを伸ばしていけるでしょう。

    3.優良企業かどうか精査して慎重に選ぶ

    SESは、未経験からでも働きやすい職種ですが、だからこそブラック企業も一定数存在します。

    ブラック企業に入ってしまうと、相場よりも低い給料でスキルアップの機会もなく、搾取されるような労働環境で働くことになります。そういった劣悪な環境で働いても疲弊するだけですので、企業は慎重に選びましょう。

    「未経験者はブラック企業しか入れないのでは…?」と不安に感じる方もいるかもしれません。以降で解説する「SES優良企業の見分け方5選」を意識すれば、未経験からでも優良SES企業に入社できますので参考にしてください。

    未経験者必見!SES優良企業の見分け方5選

    では、SES優良企業の見分け方は、以下の5つです。

    1. 社員の年齢層・スキル層が幅広い
    2. 社員の教育制度が整備されている
    3. 明確な評価制度がある
    4. 元請け・2次請けの案件が多い
    5. エンジニア経験者の採用ができている

    順番に解説します。

    1.社員の年齢層・スキル層が幅広い

    まずは社員の年齢層を確認しましょう。優良企業は社員の定着率が良いです。平均年齢が高い企業は働きやすい環境と見ていいでしょう。

    逆に言えば、20代が大半を占める企業は、社員の離職率が高い可能性があるため注意が必要です。

    また、リーダーやマネージャーなど、スキルの高い人材の割合も確認すると、スキルアップしやすい環境であるかの参考になります。

    2.社員の教育制度が整備されている

    優良なSES企業は、未経験者でも働きやすい環境を用意しています。そのため、教育制度が整備されているかどうかも確認するといいでしょう。

    もちろん、SESは自主学習をすることも求められますが、未経験者がいきなり常駐先に配属されても大変でしょう。

    未経験者向けの教育制度がない企業は、社員を大切にしていないとも言えます。また、業務が雑務ばかりで教育する必要がないというスタンスの可能性もありますので、教育制度は優良企業を判別するひとつの指標になります。

    3.明確な評価制度がある

    評価制度が明確に記載されてあるかも確認しましょう。というのも、評価制度が曖昧な企業では、頑張っても給料が上がらない可能性があるからです。

    例えば、「スキルや実績次第で昇給」と記載されてあっても明確な基準がなければ、昇給の機会を設けられることなく時間だけが過ぎていくかもしれません。そのような環境で成長を目指してもモチベーションが続かないでしょう。

    優良なSES企業は、社員の離職を防ぐためのモチベーション管理もしっかりしていますので、評価制度が明確になっているケースが多いです。

    4.元請け・2次請けの案件が多い

    SESは、下請け構造の最下層であるとお伝えしましたが、優良なSES企業は元請け・2次請けの案件も多数抱えています。

    もちろん、未経験だと最下層の案件を任されることが多くなります。しかし、企業が元請け・2次請けの案件を保有しているなら、経験やスキルに応じて仕事を任される可能性もあります。

    元請けに近い案件ほど仲介手数料が減って給料が高くなりますし、上流工程に携われることからスキルアップもしやすいです。案件の受注先を確認するのも、優良企業を見分ける指標になります。

    5.エンジニア経験者の採用ができている

    エンジニア経験者の採用ができているかも重要です。

    未経験者は「他に選択肢がないからSESに応募する」というケースが多い傾向にありますが、経験者はSES以外にも転職の選択肢があるはずです。その中でもSESを選ぶということは、それだけ企業に魅力のある証拠と言えるでしょう。

    そのため、企業の採用状況を確認するのも、優良企業を見分ける指標のひとつになります。

    未経験者SESエンジニアがキャリアアップを目指す流れ

    未経験者は「キャリアアップを前提」にしてSESを目指すのがおすすめとお伝えしましたが、実際どのようにキャリアアップを目指せばいいのかわからない方も多いでしょう。

    未経験者がSESからキャリアアップを目指す大まかな流れは、以下の通りです。

    1. ハイレベルなスキルが不要なIT職種で経験を積む
    2. プログラミングスキルを身につけてITエンジニアとして開発に携わる
    3. スキルをもとに経験を積んでさらに上流へとステップアップを目指す

    未経験からSESを目指す方は、ぜひ上記の手順を頭に入れてキャリアアップを目指してみてください。

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    SESは未経験からでも目指しやすい職種ですが、わからないことだらけで不安を感じる方も多いでしょう。

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    まとめ:未経験からIT職種で働くならSESを経由しよう

    未経験からIT職種で働くなら、まずはSESを経由するのがおすすめです。

    最初は不安が大きいかもしれませんが、現在活躍している大半のITエンジニアはSESからキャリアアップをしています。

    SESは「ITエンジニアになるためのスタート地点」といえる立ち位置です。ぜひ本記事で解説したメリットや優良企業の見分け方を参考に、IT職種としてのキャリアをスタートさせてください。