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SES面談完全ガイド!流れ・質問・違法性など気になることを網羅解説
この記事の内容
SESとして働くエンジニアは「面談スキル」を高めることも重要です。面談スキルの高いSESは、自分の希望する現場で働ける可能性が高くなります。
ただ逆に言えば、面談スキルの低いSESは希望とかけ離れた現場でしか働けなくなる、または案件の待機期間が長くなります。不安に感じている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、SES面談の流れや具体的な質問集、面談に落ちる人の特徴や成功するためのポイントを徹底解説します。SES面談に自信を持って臨める内容になっていますので、これからSES面談を控える方は、ぜひ最後までご覧ください。
SES面談とは?
SES面談とは、SES企業と常駐先企業とエンジニアがする「顔合わせ」のようなものです。プロジェクト案件の参画前に必ず行われます。
SES面談の目的
SES面談の目的は「案件のミスマッチはないか」を確認することです。案件の参画後にエンジニアの能力が足りないと発覚すれば双方にとって悪影響となるため、面談にて事前確認を行います。
SES面談で主に確認される項目は、以下の通りです。
- コミュニケーション力
- 技術力
- 仕事に対する熱意や責任感
上記の詳しい内容は、「SES面談で落ちる人に共通する4つの特徴」で解説しています。
SES面談の流れ
SES面談の基本的な流れは、以下の通りです。
- 案件説明
- 自己紹介や経歴の説明
- 質疑応答
- 合否について
面談は、一般的に現場の責任者や担当営業者、自分の三者面談形式で行われます。しかし、プロジェクトの規模によっては、他のSES企業も交えて行うこともあります。
合否については、1〜2日程度で報告されることが多いです。
SES面談は違法って本当?
「SES面談は違法ではないのか」という意見を聞いたことがあるかもしれません。というのも、派遣社員に対して面談をするのは法律で禁じられているからです。
参照:労働者派遣法第26条6項
しかし、SES面談の実施自体は違法ではありません。SESは準委任契約であり派遣契約ではないからです。SESは派遣社員と混同されがちですが、契約形式が異なるため安心してください。
ただし、SES面談でも以下の場合は違法となります。
- 偽装請負
- 二重派遣
偽装請負とは、SESエンジニアが派遣契約と同じような状況で働いてしまっているケースです。
本来、エンジニアへの指揮命令権は「SES企業側」にあるのですが、派遣契約との勘違いから直接指示をしてしまう常駐先企業もあります。もしSES面談をエンジニア1人と常駐先企業だけで行う場合は違法行為が起こりやすいため注意してください。
二重派遣とは、SESとして派遣されたエンジニアを、さらに別の企業に派遣することです。このような二重派遣は職業安定法で禁じられているため違法となります。案件説明の際はよく内容を聞くようにしましょう。
参照:厚生労働省「二重派遣は違法ですか」
SES面談の自己紹介・経歴紹介|例文つき
SES面談の自己紹介と経歴紹介について解説します。
自己紹介や経歴紹介は、常駐先の方に「一緒に働きたい」と思ってもらうような内容を盛り込むのがポイントです。
未経験者向けの例文を作成しましたので、参考のひとつにしてみてください。
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はじめまして、〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
私はこれまで〇〇で働いていました。〇〇では主に〇〇に従事してきました。
その際に意識したことは〇〇です。この経験はコミュニケーションスキルや課題解決力の基盤となっています。
現在は、SESとして日々書籍やインターネットを活用したり、研修で実際に手を動かしたりしながら、スキルアップのために学習中です。
未経験ではありますが、新しい挑戦を楽しみにしております。人一倍努力し、御社に貢献できる人材を目指しますので、よろしくお願いいたします。
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経験者であれば、スキルシートに沿って説明するのが望ましいです。ただ未経験者はスキルシートがないため、前職の内容や努力して学んだことをアピールするといいでしょう。
転職活動でアピールした内容をそのまま利用する形で構いません。
SES面談でよく聞かれる質問集9選
SES面談では、質疑応答が設けられています。
スムーズな受け答えをするためにも、事前に傾向を把握しておきましょう。
SES面談でよく聞かれる質問は、以下の9つです。
- 過去の経歴について
- エンジニアを目指そうと思った背景
- スキルセットに関する詳細
- 前職の深堀
- マネジメント経験について
- 長期間の参画について
- 残業について
- 通勤方法・時間について
- 目指すキャリア・未来像について
順番に解説します。
1.過去の経歴について
自己紹介時に経歴紹介をしなかった場合は、過去の経歴について聞かれることがあります。過去の経歴を聞くことで、今後の業務に活かせるスキルや知識を把握できるからです。
その際は、「どのような仕事を経験したのか」「その仕事で何を学んだのか」などを説明しましょう。
コミュニケーションや課題解決に関する内容(リーダーやマネジメント経験など)は、SESの仕事でも活かせるため、もしアピールできる内容があれば積極的に取り入れるのがおすすめです。
ただ、あまりだらだらと話しても印象が悪くなります。具体的に伝えることは大切ですが、重要なポイントだけに絞って1〜2分程度の内容にまとめましょう。
2.エンジニアを目指そうと思った背景
未経験者の場合は「エンジニアを目指そうと思った背景」を聞かれることもあります。背景を知ることで、仕事に対する熱意を把握できるからです。
熱意がないと「すぐに辞めてしまうかもしれない」と思われるため、しっかり説明しましょう。
- 前職でSEと携わる機会があり、その仕事ぶりに感銘を受けた
- 独学でプログラミングを学んでみたところ楽しくて、さまざまなスキルを身につけたいと思った
例えば、上記のような内容を話すといいでしょう。これから本気で仕事をしていくことを伝えることが重要です。
3.スキルセットに関する詳細
経験者の場合は「スキルセットの詳細」を聞かれることもあります。
スキルシート(書類)の内容を見ただけでは、本当にそのスキルの習熟度がわからないからです。
例えば、「JavaやRudyの経験3年」と記載があっても、1人ですべてを担当した経験なのか、サポートを受けながらの経験なのかで習熟度は大きく異なります。
習熟度を見誤ったばかりにプロジェクト進行がつまずくケースもあるため、事前に詳細を把握しておく必要があるのです。
スキルシートには書けることはすべて書くべきですが、質問されても答えやすいように「自分がどれだけできるか」の習熟度は整理しておきましょう。
4.前職の深掘り
前職の深掘りをされることもあります。
特に前職の経歴が短い場合の「辞めた理由」には、何かしらのマイナス要素が隠れている可能性が考えられます。人間性を知るためにも聞かれることが多いです。
前職を辞めた理由について、ネガティブな要素を伝えてしまうと「今回もすぐに辞めるのではないか」と印象が悪くなりかねません。
そのため、できる限りポジティブな要素を伝える、もしくは事実を伝えた上で改善策をアピールするようにしましょう。
5.マネジメント経験について
案件によっては、マネジメント経験を聞かれることもあります。
過去に少しでもマネジメント経験がある場合は、その経験から得られた知識やスキルを伝えることで参画依頼につながる可能性が高まるでしょう。
もし経験がない場合は、正直にその旨を伝えます。曖昧に答えてしまうと案件のミスマッチで今後苦労することになるため、経験を盛る行為は避けてください。
6.長期間の参画について
数年にわたるような大規模プロジェクトの場合は、長期間の参画に問題はないかの確認が入ります。
問題がない場合は、その旨を伝えましょう。もし何らかの理由で長期参画が難しい場合は、その事情を説明します。
長期参画が難しくても事情によっては依頼がある可能性もありますので、できる限りの期間は参画できることを伝えるといいでしょう。
7.残業について
現場によっては、残業についての姿勢を聞かれることもあります。
もちろん誰しもが残業はしたくないと思いますが、残業に消極的な回答をすると参画依頼を受けるのが難しくなってしまうでしょう。
そのため、残業について聞かれた場合は、問題ないことを伝えるのがベターです。もし過度な長時間労働を気にするのなら、平均の残業時間を逆質問するといいでしょう。
8.通勤方法・時間について
通勤方法や時間については、よく聞かれる質問です。
交通費の支給や何かトラブルがあった場合の材料に使用されます。
あまりにも通勤に時間を要するなど、内容によっては合否に影響を与える場合もあります。しかし、その他の事項に問題がなければ、働きやすいように配慮してくれるケースが多いです。
嘘の報告をしてトラブルを起こすと信用問題になりますので、正直に答えましょう。
9.目指すキャリア・未来像について
エンジニアとして目指すキャリア・未来像について聞かれることもあります。
目指すキャリア・未来像を明確に説明できると「学習意欲が高い」と判断されるため、合格率が上がるでしょう。
未経験者やスキルが足りない場合でも、学習意欲のアピールができれば、参画依頼される可能性が高まりますので、「将来的にどんなエンジニアになりたいか」などを説明できるようにしておきましょう。
アピールチャンス!SES面談の逆質問集7選
SES面談の質疑応答では、逆質問も時間もあります。
逆質問は、案件のミスマッチを防ぐだけでなく、仕事への熱意を伝えるチャンスでもあるため積極的に活用しましょう。
SES面談における逆質問の例を7つまとめました。
- プロジェクト参画にあたり、事前に知っておくべき知識はありますか?
- 現状、私のスキル不足を感じている点はありますか?
- 今回のプロジェクトは、どのようなチーム体制で進めるのですか?
- 私がプロジェクトに参画した場合、最初の業務は何ですか?
- 御社では、どのようなツールや言語を使用していますか?
- 私の保有している〇〇の資格はプロジェクトで活用できますか?
- セキュリティ管理で気をつけるべきことはありますか?
逆質問をする際は「調べてわかるような質問はしない」ことが重要です。例えば、会社概要や事業内容については避けましょう。
下調べをしないで面談に臨んでいることが露呈されると、評価を落とす可能性があります。
また、「相手のためになる質問を心がける」ことも大切です。上記であげた例は案件のミスマッチや参画後のトラブルを防ぐための内容になっています。
主体性や学習意欲のアピールになりますので意識してみるといいでしょう。
ただ、学習意欲を過度にアピールするのも禁物です。学習意欲のアピールは大切ですが、過度にしすぎると「仕事への貢献より学習を優先されそう」と勘違いされてしまう可能性があります。そのため、学習意欲はほどほどに「仕事へ貢献する姿勢」をアピールしましょう。
SES面談で落ちる人に共通する4つの特徴
SES面談で落ちる人に共通する特徴は、以下の4つです。
- コミュニケーション能力がない
- 技術的なスキルが足りない
- 仕事に対する意欲が感じられない
- 社会人としてのマナーがない
順番に解説します。
1.コミュニケーション能力が足りない
まずはコミュニケーション能力が足りない場合です。
SESのプロジェクトは、複数人のチーム体制で仕事をするため、進捗やトラブルの報告など、最低限のコミュニケーション能力がないと全体に悪影響となってしまいます。
そのため、会話のキャッチボールができていなかったり、質問の回答にズレがあったりすると、プロジェクトへの参画は厳しいと判断されるかもしれません。
2.技術的なスキルが足りない
技術的なスキルが足りない場合も厳しいでしょう。
スキル不足でも育成枠として参画できる場合もありますが、基本的には現場の要求スキルを持ち合わせていないと落ちる可能性が高いです。
ただし、現場の要求レベルが高すぎて、無茶振りのようなケースもありますので、必ずしもエンジニアが悪いと言い切れない部分もあります。
3.仕事に対する意欲が感じられない
コミュニケーションやスキルに問題がなくても、仕事への意欲に欠けていると落とされる可能性があります。
例えば、自分の経験やスキルをうまく伝えられなかったり、質問に対して否定的な意見が多かったりすると評価を下げる原因となります。
逆にスキル不足でも、仕事に対する意欲があればプラス評価になる可能性もありますので、面談の準備は怠らないようにしましょう。
4.社会人としてのマナーがない
社会人としてのマナーがないと判断された場合も厳しいといえます。
例えば、以下の通りです。
- 挨拶ができない
- 言葉遣いが悪い
- 立ち振る舞いが悪い
- 身だしなみが不潔
- 時間にルーズ
上記に当てはまると「一緒に働きたくない」と思われてしまいますので、最低限のマナーは意識して面談に臨みましょう。
合格を手繰り寄せる!SES面談を成功させる7つのコツ
SES面談を成功させるコツは、以下の7つです。
- SES企業の事前リサーチを徹底している
- 経歴や実績をわかりやすく説明する
- 口角を上げてハキハキと話す
- 一緒に働きたいと思わせる振る舞いをする
- 服装・身だしなみを整える
- 社会人として常識ある行動を取る
- 学びたいアピールは控えめにする
それぞれの詳細について、順番に解説します。
1.SES企業の事前リサーチを徹底している
まずは、SES企業の事前リサーチを徹底しましょう。
企業のリサーチをすることで「自分が参画しやすい条件かどうか」が明確になります。
よって、面談前には企業のホームページやSNSを確認したり、担当営業者から具体的な案件の内容を聞いたりしておくといいでしょう。
2.経歴や実績をわかりやすく説明する
自分の経歴や実績をわかりやすく説明することも重要です。
経歴や実績がうまく伝わらないと、スキル不足と判断されて落ちる原因になります。
また、経歴や実績を説明する際は「案件に関連する内容」をピックアップするのが成功のコツです。経歴や実績は書類である程度わかっていますし、だらだらと説明をしても相手の印象として残りません。
経歴や実績を説明する際は、1〜2分くらいでまとめるようにしましょう。
3.口角を上げてハキハキと話す
面談で話す際は、口角を上げてハキハキ話すことを意識するといいでしょう。
どんなにスキル・実績・やる気があっても、仏頂面でボソボソと話すと、相手にうまく伝わらない可能性があります。またコミュニケーションに難があると判断されてしまうかもしれません。
性格的にハキハキ話すのが難しい方は「口角を上げて話す」を意識するだけでも、相手から見た印象は大きく変わりますので、ぜひ実践してみてください。
4.一緒に働きたいと思わせる振る舞いをする
面談相手に「一緒に働きたい」と思わせる振る舞いも大切です。
SES面談に落ちる人の特徴でも解説しましたが、どんなにスキルや実績のあるエンジニアでも、人間的にマイナス評価を受ければ落ちる対象になります。
一緒に働きたいと思うかは性格の一致・不一致もあるため、明確な答えはありませんが、最低限以下の3つを意識するだけでも印象は良くなるでしょう。
- 挨拶をする
- 敬語を使う
- 前向きな意見を言う
面談の際は、ぜひ意識してみてください。
5.服装・身だしなみを整える
SES面談を受ける際は、服装や身だしなみも整えましょう。
服装や身だしなみを整えることは社会人として最低限のマナーです。高級なスーツや靴を揃える必要はありませんが、以下の項目は確認しておきましょう。
- スーツやシャツのしわや汚れ
- 髪の毛の乱れ
- 靴の汚れやかかとの潰れ
スキルや実績があれば、身だしなみはそれほど関係ないと思われがちです。しかし、相手に不快感を与えると「一緒に働きたくない」と思われるため、最低限の身だしなみは整えましょう。
6.社会人としての常識ある行動を取る
社会人として常識ある行動を取ることも大切です。
最近は、常識外れの人を面白いと評価する風潮もありますが、SESのようなチームで働く場合は全体への悪影響が懸念されてしまいます。
そのため、以下の項目は押さえておきましょう。
- 時間を守る
- 言葉遣いを丁寧にする
- 服装を整える
- 姿勢を崩さずに話を聞く
遅刻に関しては、電車の遅れや渋滞があるため仕方のない場合もあります。とはいえ、もし遅れそうなときは、最低限担当の営業者に連絡しましょう。
7.学びたいアピールは控えめにする
SES面談で最も注意すべきなのは、学びたいアピールは控えめにすることです。
逆質問集の章でも触れましたが、過度な学び欲のアピールは「一通りスキルを身につけたら辞めてしまうのでは?」とマイナス評価になる可能性があります。
学ぶ姿勢をアピールすることは大事であるため加減が難しいところではありますが、「御社に貢献します」とセットで伝えると誤解を防げるでしょう。
SES面談に関するよくある質問
SES面談に関するよくある質問に回答します。
SES面談で落ちる確率はどれくらいですか?
SES面談の合否は「エンジニアとクライアントのマッチ度」に依存するため、確率論では断言できません。
合格率を上げるには、よく聞かれる質問への回答、自己紹介や経歴の説明、立ち振る舞いの見直しなどの対策が重要です。
SES面談を2回行う企業があるのはなぜですか?
SES面談が2回あるのは、以下に当てはまる場合が多いです。
- 候補者が多いため1回目は簡単に済ませている
- エンドクライアントが大手である
- 案件がハイレベルで慎重に選考している
いずれにしても、1回目の面談の重要度は変わらないため、しっかり準備を行いましょう。
違法なSES面談をしている企業の特徴はありますか?
SES面談が違法にあたるケースは、以下の通りです。
- 派遣契約のエンジニアと面談をしている
- SES企業を通さずにエンジニアへ指示を出している
SESは準委任契約であるため面談してOKなのですが、派遣契約である場合は「労働者派遣法第26条6項」にて面談NGとなっています。
また、SESエンジニアへの指揮命令権は「SES企業」にあるため、面談先の企業がエンジニアに直接指示を出すのは違法です。
SES面談や仕事にお悩み相談をしたいならワンページにお任せ
SESとして働き続けるために「面談スキル」を磨く必要があります。
ただ、SESの中には「パソコンを触るのは好きだけど、面談が嫌」「コミュニケーションが苦手で全然受からない」などと悩まれる方も少なくありません。
そこで、SES面談や仕事に関してお悩みの方へ向けて、無料公式LINEを開設しました。
SESやIT関連の仕事についての情報発信、無料相談を行っています。いつでも途中解約できますので、SESの仕事でお悩みの方はお気軽にご利用ください。
まとめ:SES面談は徹底的に事前準備をして臨もう
SES面談は、エンジニアと企業のミスマッチを避けるために行われます。
本番は緊張で頭が真っ白になるかもしれませんが、本記事で解説した事前準備をしっかり行えば、プロジェクト参画が決まる可能性は高まるでしょう。
SES面談を控える方は、ぜひもう一度読み直して、できるかぎり合格に近づく行動をしてみてください。