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SESはスキル不足で退場させられる!?ついていけない時の解決策も紹介
この記事の内容
SESは経験が浅くても働きやすい職業ですが、スキル不足から「退場になるのでは……」と不安になる方も多いでしょう。
ただ、それは個人の問題だけではなく「会社」にも原因があるかもしれません。もし会社に原因がある場合は、将来を考え直す必要があるでしょう。
そこでこの記事では、SESのスキル不足による退場の有無と原因・解決策を紹介します。
SESはスキル不足で常駐先から退場になることはある
SES企業や客先企業と締結する準委任契約は「いつでも解除可能」と定められているため、法律に触れることなく退場を命じることができます。
参照:民法第651条
基本的には、案件の参画前にスキルの確認がメインの面談が行われるため、ミスマッチが起こる可能性はほとんどありません。
しかし、面談で確認しきれなかった場合や、プロジェクトの急な方針変更や終了から、やむを得ずエンジニアの交代・退場となるケースがあります。
SESのスキル不足でも所属企業から退場になることはない
自社から退場になることは、余程の理由がない限りありません。
労働契約法第16条にて、企業は不当な解雇が認められていないからです。ただし、急に命じられることはなくても、自主退職を促されることはあります。
SES企業は、案件に参画していないエンジニアにも6割以上の給与を支払う義務があります。そこで、あまりにも次の案件が決まらないエンジニアを抱えていると、不要な人件費が発生してしまいます。
参照:労働基準法「第二十六条」
SESは未経験でも働きやすい案件が多いため、スキル不足で自主退職を促されるケースは少ないでしょう。しかし、人間性にも問題があると起こり得ます。
SESのスキル不足以外で退場になる理由
SESは、本人のスキル不足以外でも退場を命じられるケースもあります。
具体的には、以下のケースです。
- クライアント都合
- 所属会社の都合
- 社会情勢
- エンジニア自身の問題
クライアントの都合で退場を命じられるのは、主に「プロジェクト終了」「予算都合」「正社員採用によるチーム再編」などです。
また、所属企業の都合もあります。例えば「注力したい案件への移動」「現場状況を鑑みた判断(スキルアップできない・無理な高稼働が続いているなど)」が挙げられます。
さらには、感染症や災害などの社会情勢の影響から退場を命じられることもゼロではありません。
ただし、「勤務態度が悪い」「必要最低限の報連相ができない」「メンバーにハラスメントをしている」など人間性に問題があると、スキルに問題のない方でも退場となる可能性があります。
SESが現場でスキル不足に直面するシーン3選
スキルが足りないと感じるのは、具体的にどのようなときなのでしょうか。
主に挙げられるシーン3つを解説します。
- 仕事についていけない
- 常駐先の契約期間が短い
- 周囲のエンジニアが優秀で劣等感がある
1.仕事についていけない
最もスキル不足を感じやすいのは、仕事についていけないときでしょう。
具体的には、以下のシーンが挙げられます。
- ミスをしてしまうことが多い
- 業務マニュアルの理解が難しい
- コミュニケーションがうまくいかない
- 業務量が多すぎて間に合わない
プロジェクトは複数人が携わるチーム体制で進めていくため、仕事についていけないと罪悪感を覚えてしまう方が多いでしょう。
ただ、仕事についていけないのは「案件のミスマッチ」である可能性もあります。
2.常駐先の契約期間が短い
ほとんどの場合、業務に問題なければ契約更新が行われるケースが多いです。
しかし、期間満了でも契約更新が行われず、短期間で終了になると「スキルがないせいで退場させられたのだろうか」と感じてしまう方が一定数います。
実際はプロジェクト自体の終了や、所属企業の意向で契約更新されなかったのかもしれません。しかし、スキル不足によって短期契約である可能性も否定できないため、自身のスキルを見直すきっかけにはなります。
3.周囲のエンジニアが優秀で劣等感がある
周囲のエンジニアが優秀で勘違いしてしまう方もいます。
他人と比較してしまいがちだと、自身のスキルに問題がなくても劣等感を覚えてしまうことがあるかもしれません。
特に、高単価案件に挑戦した際に起こり得る事象といえます。複数人で働く以上、比較してしまうのは仕方のないことではありますが、なるべく自身の仕事にだけ向き合いましょう。
SESがスキル不足を放置する5つの問題
スキルが足りないままでいると、以下5つの問題が発生します。
- 面談を通過できない
- 案件を自分で選べない
- 給料が上がらない
- 精神的にきつい
- 年齢が高いと転職が厳しい
それぞれの問題を理解し、後に解説する解決策を実施しましょう。
1.面談を通過できない
基本的に、案件に参画する前には客先の企業と面談を行います。
面談は、主にスキルの確認のために行われるため、客先が求める能力を備えていないと不採用が続いてしまうでしょう。
不採用が続くと、エンジニアとしての自信を失うきっかけになりますし、実務経験を積めないことからスキル不足のまま停滞することになります。
2.案件を自分で選べない
SES企業は多数の案件を抱えているため、仕事内容や勤務地から自身に合う案件を選べることが多いです。
しかし、スキルが足りないエンジニアはできることが限定されるため、会社に言われた仕事をこなすことになります。
「勤務地が自宅から遠い」「スキルアップができない」など、希望する条件で仕事ができないことが多いため、ストレスを溜める原因になってしまうでしょう。
3.給料が上がらない
SESは、未経験でもできる案件がたくさんあります。
しかし、未経験でもできる案件は単価が低いため、企業の利益はあまり上がりません。つまり、スキルが足りない状態を放置していると、エンジニア自身の給料も上がっていかないのです。
給料を上げるには、高単価案件を受注できるスキルを身につけて、所属企業の利益を上げる必要があります。
4.精神的にきつい
案件受注や給料アップができないと、精神面にも影響してくるでしょう。
例えば、案件不採用が続いて会社に申し訳ない気持ちになったり、いつまでも上がらない年収に将来が不安になったりする可能性は高いです。
また、常駐先の業務についていけずパニックになったり、自分のせいでプロジェクトの進捗が遅れたり……という日々が続いていると、次第に追い詰められた気持ちになるはずです。
心身が健康でないとスキルアップの余裕もないため、必死に働いても何も解決しない悪循環が発生してしまいます。
5.年齢が高いと転職が厳しい
スキルが不足したままでいると、転職したくなったときに「時すでに遅し……」となっているかもしれません。
今は少子化による人材不足に悩む企業が多く、転職には困らない時代と言われています。しかし、採用選考に競合となる人材がいた場合、同じスキルなら年齢の若いほうが優先されるでしょう。
転職で若い人材が優遇される理由は、以下のイメージが強いからです。
- 若い人材のほうが吸収力がある
- 活力がある
- 教育担当よりも年齢が高い人材は扱いづらい
このように、同じスキルの人材なら、企業は少しでも若いエンジニアを採用したいと考えます。年齢を重ねるごとに転職の選択肢が狭くなっていくことは覚えておきましょう。
SESがスキル不足に陥る3つの原因
スキル不足に悩むのは、エンジニア自身だけではなく「自社に原因がある」というケースもあります。
以下に挙げる3つの原因を把握し、自身が打つべき対策を探っていきましょう。
- スキルアップできる案件を紹介してくれない
- 教育や研修制度が整備されていない
- 自身の努力や勉強が足りていない
1.スキルアップできる案件を紹介してくれない
エンジニアがスキルアップできないのは、そもそも企業がスキルアップにつながる案件に入れてくれないからとも言えます。
例えば、テストや保守のような雑務に近い案件や、コールセンターや家電量販店のようなエンジニアと関連性の低い案件をこなしてもスキルアップは見込めないでしょう。
「スキルが足りないから仕事がないのでは?」と思うかもしれません。しかし優良SES企業なら、「自社の先輩がいる案件」や「サポート体制が整っている上流工程の案件」などに入れてスキルアップを促す配慮がされています。
2.教育や研修制度が整備されていない
SES企業には、教育や研修制度が整っていない場合もあります。
未経験で採用しておきながら、教育や研修を行わず、いきなり客先常駐で働かせる企業も存在します。そういった場合、案件は当然「未経験でもできる業務」となるため、雑務中心の日々になるでしょう。
つまり、未経験で教育や研修制度のない企業に入社してしまうと、仕事の中でスキルアップできる機会がまったくありません。そのため、エンジニアが悩むのも自然でしょう。
3.自身の努力や勉強が足りていない
スキル不足の原因は企業側にもあるとお伝えしましたが、もちろん、エンジニア自身の努力や勉強が足りていないケースもあります。
企業がスキルアップできる案件に入れてくれたり、教育や研修制度を整えてくれたりしていても、本人が頑張らなければスキル不足のままでしょう。
また、参考書を読んだり、オンライン学習をしたりすれば、自身の行動でスキルアップできます。IT業界は進化のスピードが早いため、少なからず自主的に学ぶ姿勢も求められます。自身で学ぼうとせず、すべてを所属企業のせいにするのは考え方として良くありません。
ただし、残業が多すぎたり、休日出勤を強いられたり……と自主学習をする機会すら与えてくれない企業もあります。そういった場合は、所属企業を考え直したほうがいいかもしれません。
SESのスキル不足で退場したいときの対応策
スキルが足りずに抜け出したい場合は、以下3つの対応策があります。
- 転職する
- 常駐先のエンジニアと仲良くする
- スキルを磨く
どれも面倒に感じる方が多いと思いますが、現状から抜け出すには、この3つの方法しかありません。順番に確認していきましょう。
転職する
現在の会社でスキルアップが見込めない場合は、そのまま働き続けても年齢だけを重ねることになります。そのため、転職するのが最もおすすめな選択肢です。
「スキルがないのに転職できるの?」と疑問を感じるかもしれませんが、問題ありません。少子高齢化とインターネット需要の拡大で、今はどのIT企業も人材不足に悩んでいます。20代や30代であれば、比較的容易に転職可能です。
具体的には、以下の企業に転職することで、SESからでもスキルアップしやすい環境に移れます。
- 優良SES企業
- Sler
- 社内SE
SESからの転職事情については以下の記事で詳しく解説していますので、少しでも転職を検討されているのなら参考にしてください。
常駐先のエンジニアと仲良くする
今すぐできる行動として、常駐先のエンジニアと仲良くする努力をするのがおすすめです。
SESの案件は、複数人のチームで動いています。チーム内の人間関係が良好であれば、わからないことを気軽に相談しやすくなるはずです。すると、スキルが足りなくても働きやすい環境となるでしょう。質問しながら業務をこなすことでスキルアップにつながる可能性もあります。
コミュニケーションに苦手意識のある方は厳しいと感じるかもしれませんが、一度だけ出した勇気が現状を大きく変えるかもしれません。ぜひ試してみてください。
スキルアップの勉強をする
自身でもスキルアップに向けた勉強は非常に大切です。
参考書ならあまりお金をかけずに学べますし、独学で挫折してしまうならメンターとオンライン学習する方法もあります。企業によっては資格取得をサポートする制度を整えているケースもあるため、一度チェックしてみるといいでしょう。
自分が将来的に開発したいサービスやアプリ、携わりたい業務に必要なスキルを中心に学習をしていってください。
SESがスキル不足で退場したいときによくある疑問
SESがスキル不足で抜け出したいときによくある疑問に回答します。
- 1ヶ月で退場するのは大丈夫ですか?
- 3ヶ月で退場するのは大丈夫ですか?
- 今の会社を退職する手順を教えてください
気になる疑問をチェックしてみてください。
1ヶ月で退場するのは大丈夫ですか?
問題ありません。
「SESは準委任契約であるため客先企業はいつでも契約解除可能」とお伝えしましたが、これはエンジニア側からの要求にも適用されます。
参照:民法第651条
また、SES企業を退職したい場合は「申し出から2週間後」であれば、いつでも退職可能と法律で定められています。
参照:民法第627条
ただし、いきなり退場してしまうと客先の企業に迷惑をかけてしまうため、退場まで1ヶ月ほどの余裕を持って申し出ましょう。
3ヶ月で退場するのは大丈夫ですか?
SESは申し出さえすれば期間に関係なく退場できます。
ただし3ヶ月働いている場合は、契約満了のタイミングが近いかもしれません。自ら退場を申し出なくても抜け出せる可能性がありますので、上司や営業担当者に契約期間を確認してみるのがおすすめです。
今の会社を退職する手順を教えてください
SESの退職手順は、以下の5ステップが一般的です。
- 就業規則を確認する
- 転職先を決めておく
- 自社の上司に退職の意思を伝える
- 後任者への引き継ぎ作業をする
- 退職の手続きを済ませる
特に「転職先を決めておく」のは重要な手順となります。退職後に転職活動をすると、経済的な焦りから、ブラック企業やミスマッチ企業に入社してしまうリスクがあるからです。
健康を害するほど精神が追い込まれている場合は、すぐにでも退職すべきですが、基本的には在職中に転職活動をすることをおすすめします。
SESの退職手順の詳細は以下の記事で解説していますので、検討されている方は参考にしてください。
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まとめ:SESはスキル不足で退場の可能性がある
SESは、スキルが十分でないと退場になる可能性があります。
ただし、原因はあなた自身にあるのではなく、企業側にある可能性も否定できません。スキルアップできる案件を紹介してくれなかったり、教育制度が整っていなかったり……という中でいきなりスキルを求められても対応に困るでしょう。
自己学習をすることで解決するケースもありますが、普段の業務が忙しいと、なかなか勉強時間を取れないかもしれません。
そのため、もしスキル不足で思い悩んでいるのなら、転職する選択肢も検討してみてください。環境を変えるだけで悩みが解消されるでしょう。