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SESの平均単価はいくら?2024年最新の還元率やアップさせる方法を解説
この記事の内容
SESとして働いていると「自分の仕事はどのくらいの単価なのだろう?」と気になる方も多いでしょう。単価は給料に大きく関わるため、知っておきたいものです。
本記事では、SESの平均単価・単価をアップさせる方法を紹介します。
単価を決める要素や企業が教えてくれない理由についても解説しますので、SESの給料に悩む方は、ぜひ参考にしてください。
SESの平均単価は50〜70万円
SESの単価は職種によって異なりますが、「月額平均50〜70万円」が相場となっています。
各職種・スキルレベルごとの単価相場をまとめてみました。
職種/スキルレベル | 単価相場 |
---|---|
テスター(新人) | 30万〜45万円 |
プログラマー初級(新人) | 40万〜55万円 |
プログラマー上級 | 45万〜60万円 |
システムエンジニア初級 | 55万〜80万円 |
システムエンジニア上級 | 60万〜100万円 |
リーダー・管理職 | 70万〜120万円 |
※上記はあくまでも一般的な相場です。実際の単価は企業によって異なります。
SESの給料は単価の50〜60%が相場
SESの給料は「単価からマージンを引いた額」が還元されます。
マージンとは、SES企業の取り分、つまり単価から引かれる金額のことです。企業が利益を得るのはもちろんですが、社会保険や事務手数料分も引かれます。
イメージしやすいように、SESの給料還元率が60%(マージン率40%)の場合の、単価・マージン・給料をまとめてみました。
単価(月) | マージン | 給料(月) |
---|---|---|
30万円 | 12万円 | 18万円 |
40万円 | 16万円 | 24万円 |
50万円 | 20万円 | 30万円 |
60万円 | 24万円 | 36万円 |
70万円 | 28万円 | 42万円 |
単価と給料が異なる点をおさえておきましょう。
SESの単価を決める3つの要素
SESの単価は、以下の3つの要素によって決まります。
- 職種
- スキルや経験
- 企業規模
順番に解説します。
職種
SESの職種は一般的には「プログラマー」と「システムエンジニア」に分かれます。
そして、仕事の難易度が高い「システムエンジニア」のほうが単価は高くなる傾向にあります。高単価で受注したい場合は、まずシステムエンジニアを目指すといいでしょう。
なお、SESの職種はほかにもあり、各職種の仕事内容や単価相場は、以下の通りです。
職種 | 主な仕事内容 | 単価相場 |
---|---|---|
システムエンジニア | ソフトウェアの設計・開発 | 50〜90万円 |
DBエンジニア | データベースの設計・構築・運用・最適化 | 55〜95万円 |
フロントエンドエンジニア | WebサイトやアプリのUIを設計・実装 | 50〜90万円 |
インフラエンジニア | システムの基盤となるサーバーやネットワークの設計・構築・整備・保守 | 45〜85万円 |
プロジェクトマネージャー | プロジェクトの計画・実行の管理 | 60〜100万円 |
システムアナリスト | ITシステムの分析・評価 | 65〜105万円 |
ITアーキテクト | Webシステム全体の設計 | 65〜105万円 |
プログラマー(デベロッパー) | ソフトウェアの設計・開発・テスト | 40〜70万円 |
※単価相場はあくまでも一般的な数値です。
スキルや経験
SESは同じ職種でも、スキルや経験によって単価が異なります。
例えば、高度なプログラミング言語を扱えたり、マネジメント経験があったりすると単価は高くなる傾向にあります。また、最先端技術の習得や大規模なプロジェクト経験がある場合も高単価案件を受注しやすくなるでしょう。
企業規模
SESの単価は、企業規模も大きく関わってきます。
大手企業は人材の採用・教育に多額のコストをかけている信頼があるため、単価も比較的高めに設定されることが多いです。
また、企業規模が大きいほど受注先が元請けに近くなる傾向にあるため、それに合わせて単価も高くなります。
SESの単価を教えてくれないって本当?
「会社に単価を聞いても教えてくれない……」と不満を感じている方もいるかもしれません。
しかし、ほとんどのSES企業は、単価を聞いても教えてくれないでしょう。その理由は以下の通りです。
- そもそも単価を教える義務がない
- 他社と比較して辞めてほしくない
- 自社の単価が流出すると採用活動に影響する
中には、単価を教えてくれる企業もあります。
しかし、多くの企業にとって、単価を教えるのはデメリットが大きいと判断されています。そのため、必ずしも「単価を教えてくれない=ブラック企業」というわけではありません。
SESが単価を考える際の注意点
SESとして働くなら、少しでも単価の高い案件を受けたいと考える方が多いでしょう。
しかし、以下2つの理由から、単価だけで案件や企業の良し悪しを判断するのはおすすめしません。
- 高単価だから給料が高いとは限らない
- 低単価だから簡単な仕事とは限らない
順番に解説します。
注意点1.高単価だから給料が高いとは限らない
「高単価案件=給料も高い」と考える方が多いでしょう。
しかし、SESの給料は「単価からマージンを引いた金額」が支払われます。つまり、高単価案件でも、多くのマージンを抜く企業で働いていると給料は低くなるのです。
例えば、単価50万円・マージン率40%の企業と、単価70万円・マージン率60%の企業で見比べてみましょう。
単価 | マージン率 | マージン | 給料 |
---|---|---|---|
50万円 | 40% | 20万円 | 30万円 |
70万円 | 60% | 42万円 | 28万円 |
上記のように、高単価案件でも給料が高くなる保証はありません。給料を決めるのはマージン率も関係することを覚えておきましょう。
注意点2.低単価だから簡単な仕事とは限らない
「低単価案件=簡単な仕事」と考える方も多いかもしれません。
しかし、SESの単価には「受注先の企業規模」も大きな影響を与えています。同じスキルが求められる案件でも、受注先の企業が小規模な場合は、あまり予算をかけられません。
つまり、低単価な案件でも、難易度の高いスキルが求められる可能性も中にはあるのです。そのため、案件を受ける際は、単価ではなく仕事内容をしっかり確認する必要があります。
SESの単価アップさせる5つの交渉術
SESの単価は定期的な交渉によって上げることが可能です。
ここからは、SESが単価アップさせるための交渉術を5つ紹介します。
- 客先で期待を超えるパフォーマンスを発揮する
- 所属会社の単価交渉手順を把握する
- 営業との協力を仰ぐ
- 予算内で提示する
- 単価アップを交渉する資料を作る
1.客先で期待を超えるパフォーマンスを発揮する
大前提として、普段から客先で期待を超えるパフォーマンスを発揮することが重要です。
いつも期待通り、または期待を下回るパフォーマンスで単価交渉をしても「それなら他の企業のエンジニアに任せようかな……」となり、逆に仕事を失うリスクがあります。
しかし、普段から期待を超えていれば、「たしかにこの金額で任せるのは申し訳ないな」「この人にいなくなられては困るしな」と単価交渉に応じてくれる可能性が高まるのです。
例えば、以下の行動を心がけるといいでしょう。
- 同じ単価で働く他のエンジニアよりも生産性や質を上げる
- 担当する仕事以外の業務も率先してやる
- 客先企業の抱える問題について考えて提案をしてみる
難しく聞こえるかもしれませんが、単価を気にせずクライアントに貢献する気持ちを持っていれば、評価は自然についてくるものです。
2.所属会社の単価交渉手順を把握する
単価交渉の下地が整ったら、所属会社の単価交渉手順を確認しましょう。
客先常駐で働いていると、自分で直接交渉したほうが早いと感じるかもしれません。しかし、SESは企業間で契約を締結しているため、会社の知らないところで契約内容の変更をするのは迷惑がかかります。つまり、自分で直接交渉するのはNG行為です。
単価交渉をする場合は、所属するSES企業の手順を確認し、担当営業者もしくはマネージャーに連絡をしましょう。
3.営業との協力を仰ぐ
SESの単価交渉では、営業担当者の協力を仰ぐことも大切です。
客先企業にも予算があります。現時点の単価は営業担当者が、客先であらかじめ決まっていた予算の中から交渉して設定された金額です。
そのため、予算事情を把握している営業担当者の協力を仰ぐことで、スムーズに交渉を進められるでしょう。
4.予算内で提示する
繰り返しになりますが、客先企業にもプロジェクトに割ける予算が決められています。
そのため、大幅な単価アップを提示しても受け入れてもらえません。むしろ単価交渉をきっかけに、客先企業との関係がギクシャクしてしまう可能性もあります。
ただ、客先企業も最初から予算ギリギリで契約をしているわけではありません。最初はスキルを確かめるための「様子見価格」を提示されるケースがほとんどです。そのため、決められた予算内であれば、単価アップに応じてくれる可能性は十分にあります。
5.単価アップを交渉する資料を作る
単価アップを交渉する資料を作ることも重要です。
交渉材料を客観的にわかる資料にまとめることで、客先企業も納得しやすくなりますし、自社の営業担当者も自信を持って交渉ができます。
具体的には、以下の情報をまとめておくといいでしょう。
- どのような実務経験をしたのか
- どのようなスキルが身についたのか
- どのような貢献をしたのか
- 今後どのような貢献ができるのか
上記を資料化することで、単価アップに足る理由が明白になります。
SESが単価アップさせる3つの方法
SESが単価アップさせるための行動として、以下の3つが有効です。
- スキルアップをする
- 高還元SES企業へ転職する
- 上流工程に携われる案件を担当する
順番に解説します。
1.スキルアップをする
「SESの単価を決める3つの要素」でも解説した通り、SESの単価はスキルと密接な関係にあります。
高度なスキルを身につけているエンジニアは、どの企業にとっても貴重な戦力です。ゆえに高単価案件へアサインされやすくなります。
SESがスキルアップする方法は、以下の通りです。
- 新しい業務に挑戦する
- 専門書を読んで知見を深める
- 講座やワークショップに参加する
未経験や経験の浅い状態だと、最初は簡単な業務しか任されないかもしれません。しかし、その任された業務をきっちりこなすことで、企業から評価され、新しい業務につながる可能性があります。
業務内でスキルアップが難しい場合でも、専門書を読んだり、講座やワークショップに参加したりすることで、知見は深められます。
直属の上司や営業担当者に相談することで、自身の意向に沿った案件に参画できる可能性がありますので、自ら学ぶ機会も増やしていきましょう。
2.高還元SES企業へ転職する
高還元SESとは、通常のSES企業よりも報酬の還元率が高い企業のことです。
通常のSES企業の還元率は40〜50%程度ですが、高還元SESは70〜80%程度の還元率となっています。
「なぜそこまで還元率が高いのか?」その理由はさまざまですが、一般的には営業やオフィスなど、会社の固定費を削っているからです。
営業担当者がいないケースが多いため、エンジニアとしてのスキルや自ら営業する力が求められますが、SESとしてある程度の経験を積んだのであれば、高還元SESに転職することで効率よく単価アップを狙えます。
3.上流工程に携われる案件を担当する
SESの案件はさまざまありますが、大きく「上流工程」「下流工程」の2つに分けられます。
工程 | 業務内容 |
---|---|
上流工程 | 要件定義・基本設計・詳細設計 |
下流工程 | コーディング・テスト・運用 |
経験の浅いうちは「下流工程」の案件を任されるのですが、経験やスキルを積み重ねることで「上流工程」を任される機会が増えてきます。
つまり、「上流工程=高難易度・高単価案件」になります。ゆえに上流工程に携わることで大きくスキルアップできますし、単価アップも狙えます。
1.スキルアップをするの章でもお伝えしましたが、直属の上司や営業担当者にキャリア相談をすることで、上流工程の案件を紹介してくれる可能性があります。下流工程である程度の経験を積んだのなら相談してみてください。
とはいえ、残念ながら、すべてのSES企業が上流工程に携われるわけではありません。特に小規模なSES企業は、下流工程の案件しか受注していないケースもあります。
そのため、もし直属の上司や営業担当者に相談しても「上流工程に携わるのは厳しい」と感じた場合は、転職するしかありません。
以下の記事にて「SESから転職を成功させる具体的な手順」を解説していますので、転職の可能性がある方は、ぜひお役立てください。
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「SESで単価を上げるのは厳しそう」
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まとめ:スキル習得と企業選びを意識してSESの単価アップを目指そう
SESの単価は、50万〜70万円が相場となっています。もし現在の単価が相場よりも低いと感じるのであれば「スキル習得」や「企業選び」を意識しましょう。
SESは下流工程を任されることが多い職種ですが、スキル習得をすることで、高単価である上流工程にアサインされる機会が増えていきます。
とはいえ、小規模なSES企業は、そもそも高単価案件を扱っていないこともあります。また高単価案件でも、会社が多額のマージンを抜いていると、社員の頑張りではどうにもなりません。
もし、今の会社では単価アップが厳しいと感じるのなら、早めに転職を考えたほうがいいでしょう。SESからのIT転職は、オタクの転職がサポートいたします。