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SESにもホワイト企業はある!優良企業の見分け方と未経験から働くコツ
この記事の内容
「SESはブラック企業が多い」というイメージを持たれているかもしれません。実際のところ、優良なホワイト企業も多数存在します。
ただし残念ながら、ブラックなSES企業が存在するのも事実です。未経験だと甘い文言に誘われて入社してしまう可能性もあるでしょう。
そこで本記事では、SESのホワイト企業・優良企業の見分け方を解説します。
未経験からホワイトSES企業に入るコツも伝授しますので、これからSESとしてのキャリアを始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
SESのホワイト企業・優良企業の見分け方9選
SESのホワイト企業・優良企業を見分けるポイントは、以下の9つです。
- 社員の離職率が低い
- 平均残業時間が少ない
- 研修・教育制度が整っている
- 福利厚生が充実している
- 有給休暇の取得率が高い
- 評価制度やキャリアパスが明確にされている
- 社員の平均年収が高い
- 1次請け・2次請けの案件が多い
- SES以外に自社開発もしている
順番に解説します。
1.社員の離職率が低い
ホワイトなSES企業は、社員の離職率が低いです。
社員の離職率が低いということは、待遇に不満を感じることがなく、働きやすい環境であることの証拠と言えます。
厚生労働省の調査データ「新規学卒者の離職状況(令和2年)」によると、IT業界の新卒3年以内の離職率は27.9%でした。よって、新卒3年以内の離職率が20%以下であれば、ホワイトSES企業と言っていいでしょう。
離職率がわからない場合は、社員の年齢層を確認するのもおすすめです。30代・40代の社員が多数在籍していれば、定着率が高く、長く働ける環境と予想できます。
2.平均残業時間が少ない
ホワイトなSES企業は、社員のワークライフバランスも考えてくれます。そのため、平均残業時間も確認しておくといいでしょう。
厚生労働省の調査データ「毎月勤労統計調査(令和4年)」によると、IT業界全体の平均残業時間は月15.7時間でした。サービス残業の存在も考えると残業時間をそのまま信用するのは浅はかですが、ひとつの参考として確認してみてください。
3.研修・教育制度が整っている
研修・教育制度が整っているSES企業も、ホワイトである可能性が高いといえます。
なぜなら、研修・教育制度を整備しているのは「教育コストをかけてでも社員を大切にしたい」という考えの表れだからです。
ブラックなSES企業は、社員を使い捨てのように扱う傾向があるため、教育にはあまりコストをかけません。そのため、研修や教育に力をいれているかどうかも重要な判断ポイントになります。
4.福利厚生が充実している
福利厚生が充実しているSES企業も、社員のワークライフバランスを考えてくれているためホワイト企業である可能性が高いでしょう。
福利厚生の確認は、健康保険や厚生年金といった法律で定められているものの他に、以下のような会社が独自で定める項目が充実していると望ましいです。
- 住宅手当
- 通勤手当
- 育児手当
- 健康診断補助
- 資格取得費補助
福利厚生の充実度は、会社がいかに社員の生活を考えているかの表れですので確認してみてください。
5.有給休暇の取得率が高い
ホワイトなSES企業は社員のプライベートを尊重してくれるため、有給休暇の取得率も高い傾向にあります。
厚生労働省の調査データ「令和5年就労条件総合調査の概要」によると、情報通信業の有給休暇の取得状況は以下の通りでした。
- 平均付与日数:18.6日
- 平均取得日数:11.8日
- 平均取得率:63.5%
上記の数字を満たしていれば、ホワイトなSES企業である可能性が高いでしょう。
6.評価制度やキャリアパスが明確にされている
ホワイトなSES企業は、評価制度やキャリアパスが明確にされています。
例えば、以下の通りです。
- 昇給や昇進の条件が明確にある
- 定期的な評価面談がある
- 年代別のキャリアパスがある
上記のように、評価制度やキャリアパスが明確にされている会社は、それが社員のモチベーションとなるため離職率低下につながります。
逆に言えば、評価制度やキャリアパスが曖昧な企業は、いつまでも昇給・昇進しない可能性があるため注意してください。
7.社員の平均年収が高い
ホワイトなSES企業は、社員を大切にしているため、利益をしっかり給料やボーナスとして還元してくれます。そのため、平均年収が高い企業はホワイトである可能性が高いです。
また、社員の平均年収が高いということは、それだけ経営に余裕があることの表れですので、社内の雰囲気も良い傾向にあります。
逆に言うと、給料の低い会社は「やりがい搾取」のような行為で社員を集めている傾向がありますので注意してください。
8.1次請け・2次請けの案件が多い
平均年収の高いSES企業は、1次請けや2次請けの案件が多い傾向にあります。
IT業界は多重下請け構造となっており、商流が下に進むほど「仲介手数料を抜かれた発注額」となるため、3次請け、4次請け……となると企業の利益が少なくなります。
そのため、ホワイトなSES企業を狙う場合は、受注している案件が3次請け・4次請けばかりの企業は避けた方がいいでしょう。
9.SES以外に自社開発もしている
ホワイトなSES企業は、SES以外に自社開発もしている場合が多いです。
SES事業のみを行っていると客先常駐の働き方しかできませんが、自社開発も行っている場合は、社員の希望に合わせてキャリアパスを選択できます。そのため、社員の不満が溜まりにくく離職率の低下につながります。
自社開発以外にも、受託開発やコンサルティング事業を展開しているSES企業もありますので、事業内容もチェックしてみてください。
SESはブラック企業が多いと言われる理由
そもそも、なぜSESはブラック企業が多いと言われているのか気になっている方もいるかもしれません。
SESはブラック企業が多いと言われている理由は、主に以下の3つが原因です。
- 多重下請け構造で中抜きされる
- 常駐先によって労働環境や人間関係が異なる
- 案件のミスマッチが起こる場合がある
順番に解説します。
1.多重下請け構造で中抜きされる
SESはブラック企業が多いと言われる最も大きな原因は、IT業界の多重下請け構造にあります。
多重下請け構造とは、案件の発注元であるエンド企業から、1次請け企業、2次請け企業、3次請け企業……と業務委託をしていく構造です。
そして、この多重下請け構造では、下の層に進むほど報酬が下がる傾向にあります。
例えば以下の通りです。
- エンド企業:300万円で発注
- 1次請け企業:100万円で発注
- 2次請け企業:50万円で発注
- 3次請け企業:20万円で発注
各企業が利益を平等に得られるような調整も可能ですが、ほとんどの企業では「仲介手数料」などと称して、利益を中抜きした状態で発注を行います。
そのため、多重下請け構造の下の層に位置することの多いSES企業は、利益をあまり得られません。その結果、SESで働く社員の給料が低くなってしまうわけです。
とはいえ、すべてのSES企業が最下層に位置するわけではありません。1次請けや2次請けの案件を保有しているSES企業もありますので、そういった企業を選択すれば高い給料を得られます。
2.常駐先によって労働環境や人間関係が異なる
SESはブラック企業が多いと言われるのは、客先常駐の働き方にも原因があります。
客先常駐は案件ごとに働く現場が異なるため、労働環境や人間関係がその時々で大きく変わります。
例えば、使用するツールが違ったり、責任者と性格が合わなかったりが挙げられます。
そういった環境の変化に対応していくのが苦手な方にとっては、SESに対してマイナスな印象を抱いてしまうかもしれません。
ただ、SES企業の中では、自分で案件を選べるところもあります。特にホワイト企業ほどその傾向が強いため、「自分で案件を選べるか」も企業選びの判断材料にしてみてください。
3.案件のミスマッチが起こる場合がある
SESがブラック企業と感じるのは、案件紹介のミスマッチによる場合も多いです。
ほとんどの場合は、自分のスキルで対応できる案件しか紹介されません。とはいえ、稀に「利益を優先して」能力に合わない案件を紹介されることがあります。
特に経営状況があまり良くないSES企業は、目先の利益を優先しがちですので注意したいところです。
ただ、案件のミスマッチにおいても、自分で選べるSES企業で働けば防げます。企業選びは慎重に行いましょう。
SES未経験でもホワイト企業で働ける?
ここまでSESのホワイト企業を見分けるポイントを紹介しましたが、「未経験でもホワイト企業で働けるの?」と疑問を感じる方も多いかもしれません。
結論からお伝えすると、SES未経験でもホワイト企業で勤務は可能です。
現在、IT業界は「少子化による労働力不足」「社会のデジタル化によるIT人材の需要拡大」から深刻な人材不足に陥っています。
事実、「経済産業省 IT人材需給に関する調査」によると、2030年までにIT人材は45万人も不足するとのことです。
特にSES業界は、多重下請け構造の最下層に位置することが多いため、エンジニア経験者の採用が困難となっています。
そのため、SES企業は「教育コストをかけてでも人材がほしい」と未経験者の採用を行っているところが多いです。ホワイト企業も同じ傾向にあるため、SES未経験でも諦める必要はありません。
ただ、ホワイトなSES企業は当然倍率も高くなるため対策が必要です。また求人情報を見ただけで本当にホワイト企業か判断するのは難しいでしょう。
SES未経験からホワイト企業・優良企業で働く3つのコツ
それでは、SES未経験からホワイト企業・優良企業で働く3つのコツを紹介します。
- 自己分析をして転職の軸を決める
- 口コミサイトを参考にして企業分析をする
- IT業界に詳しいプロに相談する
1.自己分析をして転職の軸を決める
SESのホワイト企業を見分ける方法を解説しました。実際のところ、すべての条件を完璧に満たしている企業はそこまで多くありません。
特に未経験からSES転職となれば、何かを妥協しなければ応募することができないでしょう。
そこで取り組むべきなのが、自己分析から「転職の軸」を決めることです。「自分が最も重視する条件は何か」を明確にしておけば、それが転職先選びの軸となるため求人探しがしやすくなります。
例えば、以下の通りです。
- とにかく給料の高い企業で働きたい
- スキルアップしやすい企業で働きたい
- 福利厚生が手厚い企業で働きたい
また、自己分析で自分の強み(集中力がある、リーダー経験があるなど)を把握できると、採用面接でアピールしやすくなります。
転職成功に自己分析は欠かせない行為ですので、積極的に取り組んでみてください。
2.口コミサイトを参考にして企業分析をする
自身の希望するSES企業に入るには、企業分析が欠かせません。
求人情報はもちろん、企業の公式ホームページやSNSの公式アカウントをチェックすると、求人情報には記載がない事業内容や企業の雰囲気を確認できます。
特に転職関係の口コミサイトを参考にすると、その企業で働く社員、または退職者によるリアルな意見を把握できるのでおすすめです。
ただし、口コミサイトは匿名投稿であることから、サクラの存在も考慮しなければなりません。また、口コミサイトはストレスの吐口になりやすい性質上、マイナスな意見がどうしても多くなってしまいますので、あくまでも参考程度にしましょう。
3.IT業界に詳しいプロに相談する
ホワイトなSES企業に入社する確率を最大限に高めるには、IT業界に詳しいプロに相談するのが最もおすすめです。
業界に詳しい方から知見を得ることで、インターネットの情報だけではわからない視点からホワイト企業を見分けることができます。
特に転職支援サービスのアドバイザーは、普段から企業と連絡を取り合っているため内情には詳しいです。また、ブラック企業と判明した企業とは提携を解除するのが基本ですので、情報源として積極的に活用してみてください。
希望のSES転職を実現するならオタクの転職
未経験からホワイトなSES企業で働くためのコツを紹介しましたが、1人で転職活動をするのに不安を感じる方も多いでしょう。
そこで、未経験から希望のSES転職を実現させたい方は、ぜひオタク転職をご利用ください。オタク転職は、年間200人以上のITエンジニア・プログラマーの転職を支援しており、あなたにぴったりな仕事探しのサポートをいたします。
もちろん、転職をまだ決めきれていない方からのご相談も大歓迎です。会員登録不要で求人閲覧のみもできますので、ぜひお気軽にご活用ください。
まとめ:SESに就職・転職するならホワイト企業を見分けよう
SESはブラック企業が多いと言われていますが、実際はホワイト企業も多数存在します。
特に、IT業界は深刻な人材不足に陥っており、解消するために未経験者の採用・社員の定着率向上に力を入れている企業は増加しています。
本記事で解説したSESのホワイト企業を見分けるコツを活かせば、未経験からでも希望の企業に入社できますので、ぜひSES業界を目指してみてください。